新世代未来ヒールフック Part 1

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ここに一枚の写真があります。

足がゴチャゴチャしてて分かりづらいですが、この写真に現代ヒール技術の粋が詰まっているのです。

エピローグ
ヒールフックの泣き所はなんといっても、回転して逃げられたり、抜けちゃったりして中々に極まりにくいところ。

直近ADCC日本予選でも度々見られたこの事態、少し前までの「ヒールは強力だけど、逃げられやすい」という評価も、決して足関嫌いの柔術家がでっちあげた、理由の無い批判ではありませんでした。

しかしご存じのとおりゲイリー・トーナンやエディ・カミングスは、前例が無いほどの確率でヒールを極め続け、柔術界に大衝撃を与えました。

ダナハー・システムの秘密
これは彼らの師匠であるジョン・ダナハーが、それまでとひと味違うヒールシステムを作り上げたからと言われています。

それが具体的になんなのか。大変非常に気になっていました。

しかし詳細が全く発表されてないうえに、例えばエディ・カミングスは取材やインストラクション動画などに対して、明らかにポイントを隠していると言われています。

後に紹介する動画とかでもそうですが、もちろん良い事は教えてくれてるのですが、言ってないことがあるなあ、というのは確かに思います。

そのポイントに対し、色々な方面から証言を集めまくり、1つの回答を出したのがBJJ Scoutでした。

http://www.flograppling.com/article/35612-leg-locked-and-loaded-tonon-vs-imanari
このページで紹介されているBJJ Scoutの解説、これを大いに参照しながら、他で集めた情報もまじえて、話をすすめたいと思います。

全てはエスケープを防ぐために
前述したように、ヒールの弱点は逃げられやすい所にあります。

それに対して徹底して対策をとったのが現代ヒール。現代ヒールとは、回転して逃げられなくするためのものと言っても過言ではありません。

そしてその肝は、ずばり「サドルロック」と「徹底した逆足キープ」にあります。

サドルロック
別名「Honey Hole」または「411」、日本風に言うと「アシガラミ4の字」。

内掛けでも外掛けでも、どっちでも構いません。とにかく足を絡めたら、4の字ロックします。呼び名がたくさんあることからも分かるように、全然新しいフォームでもなんでもないです。

しかしカミングスやゲイリーの斬新さは、このフォームを最終到達点に設定し、特にカミングスは極めホールドよりも優先させ、これが上手くいかないと全てのセットアップを諦めてしまうくらい、最重視しているその姿勢。

元々はサンボで使用されていたそうなこのフォーム、柔術界でひそかに注目されはじめたのは1枚のDVD作品がキッカケでした。
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「MASTERING THE SADDLE」・・・なんでもメンサの一員であるほど高知能を誇るスコット・ソノンさんが、サンボの技術をMMAやグラップリング用に改良して紹介したDVD。

素晴らしい内容とクソみたい作りが、嬉しくない両立を見せているこの作品。酷いプロダクションとアホみたいな価格が好事家の手を遠ざける一方、「サドルロック」ポジションをあらゆる方面に適用させるシステマチックで野心的な手法が衝撃を与え、結果伝説的なDVDとなっているのですが、ここで大々的に「サドルロック」が紹介されたのです。



ディーン・リスターがこのポジションに逆足キャップをしたものを「Game Over」と呼んで、教えてる動画です。

またエディ・ブラヴォーはこれを「Honey Hole」と呼ぶなど、足関節に先進的な技術者からは既に重視されていたフォームでした。

ゲイリーやカミングスはこのフォームを、極め足をホールドする目的はもちろんですが、それ以上に、相手の極めたい足じゃないもう一方の足を、邪魔する目的で多用します。

特にカミングスにおいて、この姿勢は徹底されています。

逆足を取れ!
カミングスの極めシーンは、ややもすると極め足よりも逆足に大変な執着を見せるため、どっちを極めるのか分かりづらいので複雑に見えます。

しかし極める足は一貫してサドルロックしている足です。その足を放ったらかしにしてまで逆足を制するのが、カミングスの極めです。

また「内掛け外掛けどちらでもよい」と書きましたが、今回紹介する必勝方程式の場合、アウトサイド(外掛け)サドルロックのインサイドヒール(内ヒール)というパターンがメインです。


エンリコ・コッコという、パスタの名前みたいな選手との試合ですが、カミングスが2分58秒くらいでサドルロックを完成させると、後はずっと動かないのでとても分かりやすいです。

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カミングスは逆足のアキレスでも狙ってんのか?ってくらい執着してます。実際ダブルで極める手法もありますから、ある程度両方狙ってるかもしれませんが、最終目標はあくまでサドルロックからのヒール、それもインサイド・ヒール(内ヒール)です。

大変素晴らしい足関節の教則で知られる、サンボ強豪ライリー・バディコムとの一戦です。

冒頭のインバート・ローリング(これもカミングス必殺の入りです)からサドルロックを完成させると、最後の最後まで逆足を絞りまくって、本当に極める瞬間だけ逆足を解除し、フィニッシュです。逆足を制することへの執念が、非常に分かりやすく表れたムービングであると思います。

インサイド・ヒール
カミングスは特に強敵相手で、この必勝パターンを多用するのですが、なぜインサイド・ヒール(内ヒール)を選択するのかというと、そちらの方が逆足を取りやすいからであると思います。

体重も相手が逃げやすい方向と反対にかかるため、より回転エスケープが難しくなります。ライリー・バディコムのような足関節名手でさえ、サドルロックから全く回転できずに取られていますね。

サドルロック→逆足キープ→インサイド・ヒール・・・。ダナハー・システムの全貌は分からずも、とりあえずこの流れが、カミングスやトーナンが多用する必勝パターンであることは明らかとなりました。

冒頭の写真は、これらが全てあわさった一枚なのです。

次記事は・・・
トーナンとカミングス、技巧の違いからこの方程式に頼る率も異なり、サドルを利用した逆足の制し方も違います。

また外ヒールは?
インサイド・サドルロック(50/50)からは?
技の入りであるエントリー方法は?
などなど、細かいトピックも特色あるものばかりなので、次回もし書けたら書いてみますね。

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