Heat Supremeと怒濤の栄誉!!!ハイテク爆アゲ初代王者争奪戦となった全日本チーム対抗選手権!!

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鰆味づく厳冬日本、春を待つ身の予感は浅草!
騒ぐ世情に身を揺られもせず、ただ技の冴えのみ夜も日も明けず。

初詣で柔術のこと願かけしたような柔術ファナティックの方々は、師走の喧噪も新年の静寂の最中も、トーナメントの季節が恋しかったのではないでしょうか。

国内トップの強豪選手団が大挙出場して技術上限が一気に引き上がり、チーム戦の熱にあてられた各選手があちこちで奇跡的な戦いを繰り広げる・・・、

新年早々に行われたJBJJF初の試みである全日本チーム対抗選手権は、技と熱の循環作用が高次元融合し、参加者に新鮮な驚きを与える大会となりました。
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特に黒帯ではアサダ・トシオ、チャールズ・ガスパー、ヴァンダレイ・タカサキという恐ろしい面子のチームを編成し、更に全カテゴリーにおいて強力軍団を送り込んでオールジャパン完全制圧に来ていた昨年度アジア最強チーム、IMPACTO BJJは圧倒的な強さを見せました。

深く静かに潜航した隠密精鋭部隊

しかし、その最強軍団にまさかの風穴を空けたチームが1つ、リバーサルジム新宿Me,We代表
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結果的にフィクサー的な役割を果たした對馬進悟選手が中心となって編成されたこのチーム、出場選手に関しての情報を徹底して管理し、当日までその全貌を極秘とすることに成功。

まさにこちらも「勝ちに来ていた」チーム。

特にパンクラスにも参戦経験のある岩崎英明選手は、パワーと技巧のバランスが非常に優れ、安定した強さでチームの大黒柱となっていたのが印象的でした。

初戦はパラエストラTB代表との激戦。
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對馬選手自ら陣頭に立ち、得意の隠密サブマリン・ガードからフィクサー・スイープを見事決めるも
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パラエストラTB滝野将選手もすぐさま完パス連打の乱れうちで反撃!!ノーガードのポイント争奪戦!!

この戦いに象徴されるように、実戦派2チームが竜虎相打つ形で死闘ON。結果Me,We代表が決勝へ進出。

一方のブロックを勝ち上がってきたのは前評判どおりインパクトBJJ代表でした。

しかしこれまでに強豪パウロ・セザールがトライフォース新宿代表チームの柔術狂佐藤智彦選手にあと一歩まで追い詰められる等、苦しみながらの決勝進出。
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産みの苦しみを味わっていた優勝候補筆頭チームを相手に、Me,We代表はなんと横綱相撲を展開。

岩崎選手、そして修斗でも活躍する鷹島大樹選手がきっちりインパクトの2将を抑えきるという大手柄を挙げ、青紫-70kgという激戦区を見事制し、栄冠を手にしました。

作戦立案と実行部隊というように、各個人がそれぞれの任務を完璧に果たし、さらに全員が現場で奮闘しての勝利はまさに団体戦の妙を一身に体現するもの。
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今大会はMe,Weの優れたチーム力を存分に知らしめたものとなったのではないでしょうか。

エドガー VS サップ

また同カテゴリー無差別級では、怪物エリクソン・タケウチ率いるIMPACTO BJJ代表が圧倒的な強さで優勝しましたが、その中で素晴らしい反抗を見せた日本人選手が1人、和術慧舟会HEARTS代表・上久保周哉選手その人です。

グラチャンでも勝利を挙げ、先日はDEEPフューチャーキングのフェザー級を見事制した期待のMMA選手である上久保選手は、団体戦決勝の舞台でインパクトBJJ代表のハモン・ポルテスと対戦。

このハモンはチーム対抗戦に出場するにあたり、大将エリクソン・タケウチが「団体戦は自分だけが勝っても仕方が無い。絶対優勝したいからパートナーは絶対勝てるヤツを配備してくれ」とインパクト総帥アサダ・トシオ選手に直訴し、加入させた経緯のあるいわば肝入りの選手。

「体重110キロだけどデブじゃないよ」というアサダ・トシオ選手の言葉どおり、まるでボブサップの様な体型でハタから見ても「この人と試合すんのかよ・・・」という感想しか出てこないような選手。

試合の方でも、冒頭から素晴らしいステップワークで精力的に動き回る上久保選手に対し、ハモンはその動きを止めようとパワーと体格差にまかせて捕獲し、バックドロップを連発という恐怖展開に。

それを上久保選手がまともに喰らい、観戦する誰もが「あわわ」と青ざめ、凄まじい体格差からも「これはちょっと」思い始めていました。

しかしここからが上久保ワールドの始まり。

バックドロップを喰らうとなぜかムーブが一層キレキレに。スイッチが入ったのか筋肉ダルマ相手に立ち勝負を挑み続け、ステップも勢いを増しスピードアップが止まらず。

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試合後半にさしかかっても上久保選手は1人フランキー・エドガー5R目状態でハイスピードスタンド戦を続行。一方のハモンは上久保選手の底知れぬ地力に対し、混乱から疲弊の極地に。

ボブ・サップのようにスタミナが切れてしまい、上久保選手の煽りに付いていけなくなります。

そして刹那、上久保選手の1本背負いが炸裂!!
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試合序盤から積極的に背負いにチャレンジしていましたが、それはハモンの圧力で潰されてしまいバックの窮地に晒されました。しかし今回はハモンの身体が見事宙を舞いTD大成功。

そのまま勝利を収めました。いわゆる「ダビデvsゴリアテ」マッチとなったこの試合、上久保選手の勇戦ぶりに周囲はヒート、会場熱は一気に沖縄平均気温レベルに昇華したのでした。

絶対王者エリクソン・タケウチ

この敗北に青くなったのがエリクソン・タケウチ。

自分は早々に勝利しているものの、頼みの柔術ボブサップがまさかの敗北。3番手のタナカ・ヤスオ選手が負けたらなんとチーム敗退・・・。

思えばエリクソンは圧倒的な強さはもちろんのこと、なんともいえない良いオーラを出しながら、ここまでの道のりを勝ち進んできました。
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初戦は修斗ジムroots代表チームとの対戦。

このカードに関しては、もうどうしても土屋大喜選手とエリクソンの試合を見たい!!!しかし大将エリクソンの時には既にインパクトが2勝していたので、試合しなくても良い状態。

この団体戦は、ケガ等による試合前の欠員補充は認められていましたが、そもそもインパクトBJJに余剰人員は帯同していません。

よって大事をとって不戦敗を選択するのは全然OKな場面なのですが、エリクソンは当然のように試合を敢行。

大会序盤はインパクト茶黒-70代表も、青紫-70代表もこの拒否権を行使していましたが、エリクソンだけは試合を選択しました。

拒否が悪いのでは全くありませんが、やっぱ格好良かったですねー。おかげで修斗環太平洋王者である土屋大喜選手とのマッチアップをたっぷり堪能することができました。
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エリクソンは決勝でも素晴らしい勝利を挙げ、あとは仲間の戦果をひたすら待つ状態。

3番手であるタナカ・ヤスオ選手のプレッシャーは凄まじかったようですが見事勝利、安堵感からか試合後は雄叫びをあげていました。
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絶対王者の悠然たる勝利と対照的に、チームとしては必死そのものだった様子が、団体戦でしか味わえない焦燥感を浮き彫りにしていたのが印象的でした。

イカツイ味と鳥人と

茶黒のカテゴリーはよりハイレベルな柔術ムーブで勝負が決する場面が多く、会場からは嘆息にも似た歓声が聞こえるようになりました。

まず無差別級、IMPACTO BJJ代表とトライフォース代表チームのDUEL。
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しかしこの2道場、あらゆるカテゴリーにチームを送り込めるのは本当に凄いです。

インパクトはルーカス・タニ、ウィルソン・サンパイオ、そして刺青だらけのブルーノ・イワモトという、やたら見た目がイカツイ面々。

しかしこのチーム、なんとも言えないイイ味が漂っていて良かったですね。
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デッカくて強そうなウィルソンですが、試合前に「インパクトのチーム強そうだね」と聞いたところ、やたら世慣れした感じで「強くないですよー。もう僕は疲れましたよ。これからもよろしくお願いしますよー」とか、何かどっかの営業の人が仕事終わりの飲み屋で隣の人に話してるみたいなテンションで面白かったです。

ちなみに初対面なんですけどね。

ルーカス選手も恐ろしげな外見とは裏腹に、どこか良い人を隠せない丁寧な試合の仕方。

インパクトは2勝先行で優勝を決めたものの、3番手ブルーノは敢然と試合続行を承諾。おかげで新明佑介選手の試合を観ることができました。

しかもこの試合めっちゃ面白く、ブルーノが優れた技術でポイントリードしていたのですが、残り20秒くらいで新明選手の鳥人アンクルが一閃!!!見事な逆転1本決着という素晴らしい展開。

ナイスな試合を見せてくれた新明選手とブルーノに感謝したいですね。

現役最強軍団

そして真打ち、茶黒-70kgチームではおそらく日本で最強クラスであろうチームが登場しました。

IMPACTO BJJ代表です。

対するトライフォース代表はなんと2つもチーム編成に成功し、しかも強豪ばかり。ファンにはたまらないマッチアップが期待できます。
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こちらは澤田選手、栗原選手、坂本選手という豪華布陣のトライフォースB軍団。

その中でもインパクトBJJ総帥アサダ・トシオ選手のお目当ては澤田伸大選手

国内の柔術界マニアで柔術プリーストもかかさず視聴、新しい強豪が大好物で勝敗関係なく試合したいアサダ選手は、澤田選手とやってみたくてたまらない様子。

そしてその試合は、トライフォースA軍団を下した後の決勝戦で実現しました。

IMACTO BJJ代表vsトライフォースB軍団

最初は余裕で品定めをしていたアサダ選手ですが動画5分10秒あたり、澤田選手の巧みな十字セットアップを喰らうと、いつものキレモード「トシオ・タイム」開始!

表情まで露骨に変わり物凄い勢いで攻め立てますが、澤田選手も素晴らしいガードで防戦。決して抜かせません。
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昨年恐ろしい強さで国内黒帯戦線を駆け抜けたアサダ選手相手にレフ判、これは驚異的な戦いぶりでしょう。
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完勝とはなりませんでしたが澤田選手と試合できてアサダ選手も大満足。

そしてまずはインパクトが先勝です。

一目差の李棗中

諸星大二郎という漫画家がいます。

この人の作品に碁娘伝という囲碁を題材にしたものがあり、その中で「一目差の李棗中」という達人が出てきます。彼はどんな相手であろうと、かならず1手差で敗れるという名手なのです。

パンテーラことヴァンダレイ・タカサキの試合運びを見てると、いつもこの「一目差の李棗中」を思い出します。

どんな強い選手相手だろうと、必ず最小得点差で接戦を持っていく、まさに「ゲームの達人」。
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今大会は栗原良生選手含めガード巧者とあたりパスに苦労していましたが、相手が強いと見るやアカデミー出版超訳モードに切り替え、見事勝利をものにしました。

虎よ!虎よ!

アサダ・トシオvs澤田伸大、ヴァンダレイ・タカサキvs栗原良生という新鮮なカードが実現したうえに、最後はチャールズ・ガスパーvs坂本純選手。

新年オールスター対決みたいになった今大会ですが、この一戦はまさに柔術ファンにとって甘露ですね。

思えばインパクト代表とトライフォースB軍団の対決は模範試合みたいな雰囲気で、周囲も静まり返って眺めていましたが、この試合もそういう感じで坂本選手のハイ完成度な技巧をチャールズがどう崩していくのか、多くの人がじっと注目していました。  IMG_4140
チャールズが必殺のラッソーで試合を組み立て、新必殺技のクロックチョークとそのヴァリエーションで試合を決めましたが、坂本選手も一度あのチャールズのバックアタックをかわして見せ場を作り、ハイレベルな試合を作り上げました。素晴らしいですね。

昨年のチャールズはその凄まじい戦績とは裏腹に、艱難辛苦の一年だった訳ですが、ぬばたまの褐色に輝く美猛虎はマットに燦爛と燃え、いかな苦難も不死の手で、汝がゆゆしき均整は一分も揺らがない、そんな印象を改めて強くした試合ぶりでした。

みんな勝者

国内屈指の技術レベルのうえに、各選手の必死が加わり、美しいドキュメント映像を見ているかのように素晴らしき今大会でしたが、そもそも限られた階級から3人送り出し、チームを編成するというのは、実戦度の高い道場でないと至難ですよね。

僕は参戦道場がもっと少ないのではと思っていたのですが、どうしてどうしてたくさんの道場が選手を整備し、代表チームを編成してきました。

こういう場にファイターを出せるということは、もうそれだけで立派なことで道場のチカラを物語っているよなー、と代表チーム全てへの滔々として止まない畏敬の念を抱きながら唐揚げ食い過ぎで苦しみつつ、帰路についたわけです。
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お読み頂いてどうもありがとうございました。

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