JBJJFによる、国内大会における薬物検査導入に関して

日本で柔術を愛好する人間として、非常に誇らしい決定がJBJJFから発表されました。

柔術競技における薬物検査を行う環境が整い、様々な準備が整い次第、開始されることになったのです。
http://jbjjf.blogspot.jp/2014/09/blog-post_50.html

これは画期的な決定です。国内の総合格闘技等でも薬物検査は切望されてきましたが、とても煩雑な手続きと実行資格取得の困難さ、そして高額な費用によってその多くが挫折。

今回のJBJJFによる快挙は、日本の格闘技史上においてもエポック・メイキングとなる事例であると思います。

海外の柔術界における薬物の蔓延具合は残念ながら、深刻とかを通り越してもはや笑ってしまうレベルです。

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僕の友人である黒帯選手は、世界的にトップクラスの権威を認められている国際大会に出場しました。

彼はそこである練習会に参加したのですが、そこで彼が見た光景はとてもおぞましいものでした。

ムンジアル王者数名を含む有名選手の一団がマット上で車座となって尻に注射を打ち合い、ある者は腿にズブリとやり、ある者はゴクゴク経口から摂取していながら口々に「俺たちゃ負けるためにこんな所まで来たわけじゃないからな」と言い合っているという、もはやグレイトフル・デッドのライブ会場真っ青のドラッグ・ミーティングとなっていたのです。

選手同士が道やサウナですれ違えば、交わされる言葉は時候の挨拶と「どのおクスリがキクか」が話題の定番。

その後、友人は試合会場でギの上着を脱いで、上半身裸の状態でその辺に座っていました。するとあるアメリカ人ファイターが「なんだ負けたのか?青帯か」と話しかけてきました。友人は「いや、黒帯だ」と答えるとそのアメリカ人はビックリしたように「黒帯?その身体で??お前まさか使ってないのか?何考えてんだ?勝ちたくないのか?」と応答しました。激昂した友人は、危うくその男と喧嘩になりそうになったそうです。

友人は十分とんでもない身体能力を持った選手ですが、クリーンで、しかも生まれつき細いため、チャンピオンの多くがそうであるようにウルトラースーパーな体つきではありません。

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このアメリカ人が言ったような「薬物をやらない=やる気がない」的な思考は、とても良く聞かれる考え方です。

格闘技界とは奇妙なもので、しばしば非常に不思議な思考法が支配的となります。いわく、「薬物をやること自体はそんなに悪いことじゃない。勝ちたい気持ちが強いだけなんだ」みたいな感じですね。

そしてこれらは往々にして進行し、「富を得るために仕方なくやっている。悪いのは貧困だ」「薬物を使うのはそこまで努力している証拠だ。勇敢な行為だ「なんでお前は使わないんだ?」という理論に発展していきます。

いやいやいや、悪いもんは悪いんです。
お行儀の悪い柔術家になってはいけません!

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黄色い雪は食べちゃダメ!!

柔術は人体へのダメージを競う競技ではないですからね。そんなのもはやスポーツでないです。そういうのがやりたい人は、ヒンドゥー教とかにチャレンジしてみればよいと思います。

こういう酷い状況にはっきり「No」と言い切ったJBJJFの決断はどれだけ賞賛されても、され過ぎという事はないでしょう。まさに画期的だと思います。

一時アンチドーピングの機運が世界で盛り上がりましたが、早速形骸化しつつある悲しい現況に、間違いなく一石を投じることとなるでしょう。

元ムンジアル王者であるブラザの首領フェリペ・コスタも、今回のJBJJFの決定にたいして大賛辞を送っていましたね。彼はアンチドーピングのムーブメントに対しては、いついかなる時でも惜しみない協力をしてくれます。

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(photo by Mike Calimbas)

そして長らくドラッグと戦ってきたもう一人、カイオ・テハが今回の決定に対してメッセージを送ってくれました。
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「スポーツのクリーン化はキッズ柔術の成長のための巨大な第一歩だ。キッズ柔術の未来は柔術の未来に等しい」

一体全体どこの親が自分の子供に薬物が蔓延するスポーツをさせたいと思うでしょうか。薬物蔓延にある先は、柔術の死です。

カイオ・テハ、ホドリゴ・コンプリード、そしてフェリペ・コスタ、彼らはいつも薬物使用にはっきりと反対の立場を表明してきました。

思うに、アメリカやブラジルでステロイドと戦うのは、我々が想像するよりも大変なことだと思います。本当に勇敢な行為というのはこういうことではないでしょうか。
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