ダブルガード20秒ルール、徹底詳解!!!

まず前回のルール変更記事中で、外掛けルールに関しての補足です。
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この状態もペナルティ対象外となりました。
うーん、これは新しい。
以前なら一発DQとするジャッジも全然ありえたこの体勢、これでは物理的にヒザを捻ることが出来ないので、反則対象から正式に除外されました。

足元を抱えているかどうかが判断基準となっていますね。
この点に気を付けたいところですね。

新ダブルガード・・・とにかく20秒以内にポイント&アドバンを

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さて、いよいよ今回のルール変更の目玉の一つであるダブルガードに対する改変を見ていきましょう。
膠着に関するルール6.5への追加という形でなされました。

~Novo item 6.5.3~
When both athletes pull guard at the same time, the referee will start a 20 secondcountdown.
If at end of this 20 second countdown, even if the athletes aremoving, one of the athletes does not reach the top position, does not have asubmission in hold, or is not imminently completing a point scoring move, thereferee will stop the fight and give a penalty to both athletes.
In this situation, thereferee will restart the combat in standing position.

「両者が同時に引き込んだ場合、審判は20秒のカウントダウンを開始する。
その20秒が終わるまでに、どちらも
トップポジションを選択してアドバンを取っていない』極めかけてもいない』ポイント対象となるポジション完遂間近でもない』場合は、例え両者が動作を続けていても審判は試合を止め、両者にペナルティを与えた後スタンド再開を指示する。」

これは明らかに、ルールによって試合を動かそうとする試みでしょう。
動いているから試合を止めないという訳ではない、というのが厳しいですね。

しかしこの変更は事前にかなり予想されていた事でもありました。
ここで、非常に重大な疑問は、たった一つ。加古拓渡選手やミヤオ兄弟に代表される、ダブルガードからベリンボロをガンガン飛ばすスタイルはどうなの?途中で止めちゃうの?という事です。

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この点について、IBJJFに問い合わせた所以下の回答を得ました。

The berimbolo technique is an advance sweep and will not be punished at all.
Our new situation of lack of combativeness is related of the double pull guard.
The athletes must get the top position or be able to complete a move to place him in different position or be extremely close to that in 20 seconds.

「ベリンボロは高度なスイープ行為であり、全く処罰の対象とはならない。」

おお、なるほど。
実はIBJJF、以前からベリンボロを保護している傾向にあると個人的には感じています。
一時「アンダーフックしてベリンボロやるとDQ」みたいな噂が流れました。しかし実際問い合わせてみると全くそのようなことはなく、その頃から「Berimbolo」という固有名詞を回答中で使いまくっており、「技術としてずいぶん認知されているな」という印象を受けました。

回っていればOKか?

しかしベリンボロといえども色々な体勢があります。
例えばトップ取りたくない選手が決まらないベリンボロの仕掛けを連発して、ダブルガード状態を保持するなんてケースも出てくるのでは?

そこで「ダブルガードからベリンボロしまくってれば、どんな状態でも止められないの?」と問い合わせたところ、IBJJFの回答がこちらです。

After 20 seconds of double pull guard, if neither of athletes get top position and received an advantage or neither of athletes are attacking a submission in hold or neither of the athletes are extremely close to get a score position(possibly finishing a berimbolo), the referee shaw stop the fight, give a penalty for each athlete and restart the combat from stand up.That situation will always generate a penalty for both athletes.

下線部の所がキモです。
前述したように20秒で止められる基準は①「トップのアドバンを取っていない」②「極めかけていない」③「得点ポジション間近にいない」という3点ですが、この③番目に関連付けていますね。

つまり、ベリンボロからもうちょっとでスイープ、もしくはバック取りかけでないと、止められるという事ですね。

例えばこの取りかけという状態が、ヒザ裏にひっついている状態もOKなのか、ズボン掴みまでいってないとダメなのか、シングルバックくらいまでを指すのか、これは実際の運用を見てみないと分かりません。
ベリンボロの展開が多くなりはじめる紫帯くらいの試合を注視する必要があるでしょう。

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また、これに関連して次のようなルール条文が追加されています。

~Novo item 6.5.5~
Will not be considered lack of combativeness when an athlete is in mount or backposition, as long as the characteristics of the technical position are respected.

平たくいうと、マウントやバック、もしくはポジション取りかけ状態はなるべく尊重され、めったにストーリングとはみなされないという事ですね。

IBJJFは膠着ということに関して、単に動きを止めたら膠着というプライド・ルール的な見方ではなく、得点ポジションへの近さを評価基準としていることが窺えます。

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そしてダブルガードについてもう一つ気を付けなければならない点。
それは「どうすればダブルガードになるのか?」という事ですね。

まあ両方同時に引き込めばダブルガードですが、物理的に全く同一ということはありえません。
つまり微少な差でどちらかが先にお尻を付いている訳ですが、そこの判断は曖昧なまま。

ですので、通常ならダブルガードとみなされる事もあるだろう程度だと、メンデスとかの有名な選手がドヤ顔で「俺が先に座った。だから俺が立てばスイープで2ポイント。」的にアピールすると、審判によっては思わず手を挙げてしまう人も居る、という事ですね。

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もし相手が先に座るのが見えるくらいのタイミングでしたら、そこでダブルガードに持ち込もうとせず、トップを選択した方がポイント的には無難なのではないでしょうか。

ダブル・ガードは現代柔術の鬼子となるのか

ダブルガードに関して「20秒」という制限を設けたことは、IBJJFとしてはダブルガードを「あくまでイレギュラーであり、早く解消されるべき状態」と捉えている証左ではないでしょうか。

つまり審判側としては、なるべくダブルガード状態をさせたくない・・・。

そこで何が起こるのかと言えば、これはあくまで個人的な所感なのですが、今までのように「ずいぶん後で座ったじゃん」みたいな尻餅でもダブルガードとみなす事は少なくなり、結構厳密に「どっちが先か?」を見る審判が多くなるのではないでしょうか。

なるべく「上・下」の区分ではっきりさせる、という訳ですね。

その結果、上述したような「先立ちスイープ完成&ポイント2ゲット」の事例が多くなるのではとも感じます。

しかしルール改正の常ですが、審判によって基準がバラバラである可能性は非常に高いです。得意分野においてルールのギリギリを突くのでない限り、なるべく危なっかしいことは避けるようにするのが現実的な防衛策であると思います。

 

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