LAで輝いたシュラプネルガード! 金古一朗マスシニ全試合徹底詳解!

既報のとおり、ワールド・マスター&シニアにおいて金古一朗選手が強豪を打ち破り、シニア1黒帯ライトフェザー級で見事準優勝となりました。

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ご本人は悔しそうですが、本当に素晴らしい成績です。
試合を見ていくと悔しさの原因が分かりますが、海外それもメジャー大会本戦は色々厳しい・・・。

ちなみに金古選手も、自身のブログで詳細な解説を書いていますので、良かったらこちらも是非ご覧になってみて下さい。
http://blog.livedoor.jp/jackdaniels19750224/archives/33825339.html

まず全体を通して、金古選手の仕上がりが圧倒的で、ムーブも非常にテクニカル、優雅ですらあることに気づきます。

有名選手揃いのトーナメントでしたが、最もテクニカルでスピーディな動きを披露していたのは間違い無く金古選手であると感じます。

これは本当に凄いことだと思います。

金古一朗(ポゴナ・クラブジム)vsマウリシオ・カレーラス

スパイダーで煽りきって、動画1分27秒あたり、50/50から相手を崩して起き上がりスイープ完成。

そこからは相手のフックガードにあえて乗り込み問答無用パス、完全にガードを潰しきってから、相手の足をキャップ&逆サイドを奪取してTTパス完成。
完璧な攻めですね。

その後は上から攻め立てブラボー・チョーク、そして相手の襟を持った手はそのままで、もう片方の手で相手の背中帯を掴んで締め上げる、いわゆる「一番絞り」でフィニッシュ。

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パス時の姿勢が非常に低く、しかも柔らかい動きが本当に素晴らしいですね。
相手の動きを完全に殺しています。
このように圧倒的な内容で1回戦を見事突破!!

金古一朗(ポゴナクラブジム)vsベウナウド・ピテウ(ノヴァ・ウニオン)

相手はあのピテウですが、金古選手は王様相撲でほぼ一方的に打ち破っています。

動画2分くらいから、前の試合に続きまたもやフックガードを潰して、問答無用パスの圧力を延々とかけ続けています。
なんと強力な技なのでしょうか。

これにピテウが根負けして、違うことやろうとした刹那、金古選手がパス一閃!

完パスに成功します。
しかし一度は3ポイントが入りますが、ピテウがなんか超アピールして取り消し!!

おお、これをパスと見なしてくれないんですか・・・。
絞めてるといっても、金古選手が自由に動き回れてますから、絞めは全く入っていないだろうというのは見て分かりそうなモンですが。
これはちょっと参りますねー。

しかし金古選手は決して集中を切らさず、スパイダーから完全にピテウをコントロールしきって、スイープを連発して決め見事勝利をおさめます。

それにしてもピテウの審判見る&話しかける回数がスゴイですね・・・。
まるで誰かさんのようですよ。

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有名選手にアピールされると、往々にして審判はそのとおりにジャッジしてしまうもの。

そこでガッカリせず、自分のゲームを続行することが大事ということを、金古選手が教えてくれました。

しかし普通は「なんだよー・・・」ってなりますよね・・・。
海外の試合は厳しいですね。

金古一朗(ポゴナ・クラブジム)vsガブリエル・ウィルコックス(ガブリエル・ウィルコックス道場)

対戦相手は、ムンジアル等のメジャー大会では必ずといって良いほど名前を目にする有名選手ガブリエル・ウィルコックス!
デミアン・マイアに似ていますよねー。

金古選手が自身の感想でも言っていたように、冒頭からのウィルコックスの圧力が凄いですね。
小さいのにブルドーザーみたいなパワーです。

しかし金古選手は慌てず騒がず、徐々にスパイダーに捉えていき、ウィルコックスをコントロールします。

ウィルコックスはなんとかそれをひっぺがそうとしますが、金古選手はガード足を入れたり逆さ回転を駆使し、3分過ぎくらいからは攻守が逆転。

ウィルコックスのパスを金古選手が防ぐのではなく、金古選手のスイープをウィルコックスが防ぐという展開になります。

5分45秒過ぎからの、金古選手のスパイダーから見事な回転アタック、これは金古選手が完全に起き上がって、ウィルコックスがめくられて体勢入れ替わってますから、スイープのアドバンテージでしょう。

ここでもアウェーの試合の困難さよ!!

ただの誤審?それとも・・・

 

そして注目は動画6分20秒過ぎ、ダブルガードからウィルコックスが立って1アドバン狙おうとしたのを、金古選手が阻止しようと自身も立ち上がり、その後金古選手が引き込んだ場面です。

ここでウィルコックスに1アドバンですか!!これはこれは、どういう理解なんでしょうか。

ダブルガードからウィルコックスが立とうとしたのをそのまま評価し、それに対してのアドバンなのか、それとも新しい解釈で、ダブルガードから相手の立ちアドバンを阻止した後に結局ガード取ったら同じじゃん、みたいな考えでアドバンを入れることになったとか???

ちなみに僕はそういう解釈を全く聞いた事ないです。

しかしダブルガードが多用される軽量級、万一そんな解釈が出来たのならこれは一大事。

なので現在IBJJFに問い合わせています。
しかし答えてくれるかどうか・・・。

以前はルール専門の質問受付があって、アウバロ・マンスールが直接教えてくれていたのですが、最近は「スタッフ」とのみ名乗る人が担当になり、HPリニューアル後はルール質問受付自体が無くなって、一般的な質問受付と統合されたようなので不安ですよ。

ただの誤審ならともかく、今後に関わるような新解釈があったら大変ですからねー。
是非判明させたいところです。

(その後IBJJFから返信が来ました!原文を載せるのはアレなので、要約します。)
『これは多分ダブルガードで先に立った方にアドバンテージ入れるルールを適用していると思うんだ。けど僕は青いギの選手が再び引き込む前に、白いギの選手がグラウンドゲームのグリップを切ってるから、そのルールは適用されないと思うんだよ。IBJJFでは主な大会の決勝に3審制を取り入れて、このマスシニもそうだったよね。これは誤審を防ぐためのすごく有効な手段だと思うんだ。けどこの試合では少なくとも2人の審判がこの場面でアドバンテージを与えたってことだよね・・・。このジャッジのせいで試合はレフェ判になっちゃって、しかもそのレフェ判でも2人が相手の勝ちに入れちゃってるね。本当ゴメンね・・・。動画送ってくれてありがとう。IBJJFは今後このケースをジャッジトレーニングで使うよ。他に何か疑問があったら教えてね。IBJJFスタッフより』

なんかあっさり誤審を認めてますね!!!しかし変な解釈が加えられたのではなく単純な誤審で、そこが確認できて良かったです。)

そしてレフェリー判定はウィルコックスの勝ちですか。

あレフェリー判定の時点で試合は同体みたいなものですから、実力差は無いとして、どちらが良いムーブをして勝利に近かったかは、ご覧になった方なら分かるのではないでしょうか。

いやいやこれは・・・。
金古選手はこの総アウェイ状態の中を、よく素晴らしい成績で戦い抜きましたね。

しかしこういったルールへの疑問やアウェイの理不尽な厳しさも、日本のトップ選手が海外に出向いて試合してくれているからこそ、得られるものですよね。
選手自身の足で稼いでくれている情報なので、大事にしたいところです。

それにしても今回のジャッジングは、有名な選手の方に流れ過ぎ感が拭えませんが・・・。
まあいまさら言っても仕方ありません。

金古選手のマスシニにおけるこの大活躍は非常に誇らしく、また幸先良いですね。

 

来るアジア・オープンでも、同じように日本の選手が輝いてくれることを期待しちゃいますねー。
是非金古選手が乗せた勢いを引き継いで欲しいです!

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LAで輝いたシュラプネルガード! 金古一朗マスシニ全試合徹底詳解!” への2件のコメント

  1. ブスさん、いつも興味深い記事をありがとうございます。
    金古選手vsウイルコックス選手の試合動画確認させていただきました。
    一言、「このジャッジは素人か?」というのが私の感想です。
    今回の試合で問題になるのは、ブスさんも指摘しておられる5:45辺りの金古選手のスイープ・アタックと6:20辺りのダブルガードの攻防になると思いますが、日本ブラジリアン柔術連盟がHPに掲載しているルールブックの第5条アドバンテージに、まさにこの2つの事例が挙げられています。

    5.7.6 スイープのアドバンテージ
    •明らかに対戦相手のバランスを失わせた状態で、競技者がスイープを完遂しようとして、試合場から対戦相手を押し出してしまった場合。
    •両方の競技者が同時にガードをとった場合、最初に上になった競技者にアドバンテージが与えられる。

    5:45辺りの金古選手のスイープ・アタックは明らかにこれに当たりますし、ウイルコックス選手は亀になり金古選手は上までとっています。
    6:20辺りのダブルガードの攻防では、2人が同時に上になっているのでこのルールを適用することはできません。次に、金古選手のみが再び引き込んだわけですから、これはダブルガードの状態ではないため、当然このルールを適用することはできません。

    本当に不可解な裁定です。
    まだ、試合開始直後のウイルコックス選手のラッシュに対してアドバンテージが与えられたのなら理解もできますが、それでも5:45辺りの金古選手のスイープ・アタックにアドバンテージが与えられて、金古選手の勝利であるべき試合だと思います。

    IBJJF がどこまで質問に真摯に向かい合ってくれるかわかりませんが、ブスさんには頑張ってもらいたです。
    そしてIBJJFは自分たちが作成したルールブックを自分たちで無視するというようなことはしないでいただきたいと思っています。

    • ご丁寧にどうもありがとうございます!

      ジャッジに文句を言っても仕方ないことは重々承知してますし、そもそも文句を言う事は苦手なのですが、
      単純にルールの疑問点として浮かび上がったことは、ちゃんと書いた方が良いと思って!

      これまでもルールに疑問があった場合、全てIBJJFに問い合わせてるんです。
      ジャッジ基準が分かっていないと、海外の大会で大変なデメリットを蒙ってしまいます。
      例えば佐々選手はルールを遵守したおかげで、ムンジアルの試合で有利に立つことができましたが、
      遵守すべきルール自体が変わっていることがありますからね!!
      おかしいと思ったことは、どんどん調べていきたいと思います。

      詳しく読んで頂いて本当にどうもありがとうございます。
      ルールの話って大事だと思うので、結構頑張って書いてます!

      そして最後に、一番悔しい思いをしたのは金古選手だと思いますが、
      全くそんなそぶりを見せず、頭を次に切り替えていることに敬服します。
      頑張って正しく試合した選手が、せめてジャッジ面では正当に報われるように、
      僕も頑張って変更点や運用法などを勉強したいと思います!

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