BJJ・4・EVER・・・2012全日本選手権まとめ②


どうも更新が遅くてすみません。

世間的にはヒクソン杯後ですが、僕の脳ミソはまだ全日本でキてます。
あとコパ・ブルテリアの記事もまだ少し残ってますので、宜しくお願いします。
ちなみにヒクソン杯に関しては、残念ながら僕は行けなかったのですが、何とか少しでも書いて記録を残したいと思っています。

前回は茶帯の激闘をレポートしましたが、今回はまず紫帯ペナ級。
注目の「3D柔術プロフェッサー」玉木強選手は、トーナメントを勝ち上がり、決勝で「不倒王」デラヒーバ・ジャパンの鍵山士門選手と対峙しました。

結果はアドバン3-2で鍵山選手が勝利したのですが、玉木選手はパスからバックで敗れた前回と全く同じ展開になった所、今回はそこから気迫の巻き返し!!!
成長の跡を見せてくれましたねー。
そこからはあまりの暑さもあって、両者フラフラ状態のまま渾身で技を返しあう凄まじい死闘となりましたが、鍵山選手は最後までその恐ろしいまでのベース・キ-プ力を発揮し続け競り勝ち!!
両選手の魂が昇華した試合となりました。
素晴らしいですね。これからも引き続きガンガンいって欲しいと思います!

そして先に大会チーム成績に触れますが、2012全日本選手権を制したチームはトライフォース!
久々の覇権奪還!!
そして注目は2位のドラゴンズ・デン!


パラエストラ川越
が改組して発足した新チームらしいのですが、いきなりのチーム2位は驚異そのもの!!!!。
川越といえば関東の要衝。

川越城は関東の覇者北条氏康麾下の「北条五色備」筆頭猛将、「地黄八幡」と謳われた北条綱成の居城ですよね。


その後も川越は、柳沢吉保や松平信綱等、徳川幕府老中筆頭格の譜代大名が続々と居住した「小江戸」とも称される重要拠点であり続けました。
日本柔術界の譜代たるパラエストラの流れを汲む名門であり、「地黄八幡」の武も引き継ぐ強豪チームドラゴンズ・デン、北条氏のように関東に覇を唱え、徳川家のように全日本を制圧する事ができるでしょうか?
この先非常に楽しみですね!

ちなみに僕は個人的に川越が超好きで、「陶舗やまわ」で食器を買い、紫芋ソフトを食べ歩きするのが至福です。
ソフト超美味しいですよ。
広過ぎない小江戸の街並みは観光しやすく、しかも非常に美しいので、興味ある方は是非一度訪れてみて下さい!


そして黒帯!!!!!!

ライト・フェザー級は日本屈指のテクニシャン、ポゴナ・クラブジムの金古一朗選手が前評判どおりに優勝を飾りました。
パラエストラ八王子の佐藤和弥選手との初戦は、この両者の戦いがいつもそうであるように、大変な接戦!
佐藤選手が三角ロックで金古選手を捕獲するなどキレを見せましたが、わずか及ばず金古選手がアドバン1差で僅差の勝利!

決勝は金古選手がそのハイテクぶりを大いに発揮!
見事に腕十字で1本勝ちをおさめ、2012年の全日本選手権を制しました。

近年のいわゆるプルーマ級における金古選手の充実ぶりは目を見張るものがあります。
常にムンジアル等海外大会を視野に入れながら選手生活を送る金古選手の意識の高さに驚嘆するとともに、それを国内の戦績に見事繋げてしまう遂行力に賛辞を送りたいです。
非常に多数の大会に出場して驚異の勝率、プルーマ級国内最強と言って良いでしょう!!! 

そして今大会、注目ポイントはフェザー級&アブソルート級において「政権交代はあるのか?」という点でしたが、結果としてそれはなりませんでしたー!!!
不撓不屈の中村大輔!!!
グラバカ幕府の征夷大将軍が全日本を再々統一!!!!!!!!

西方への政権奪還を目指して東征してきた未来戦士加古拓渡選手を階級別決勝において退け、見事天下に覇を唱えました。

この階級別決勝はいつもの中村節爆発といった感じで、暴風アタックをボムボムボム!!!
全てを巻き込むような凄まじい上攻めであっという間にガードを決壊させるや即バック!即ボウ・アンド・アロウ!1本!というおそるべき試合内容。

加古選手も1回戦を素晴らしい試合内容で勝ち上がっての堂々たる挑戦でしたが、今回は中村選手が圧倒しました。

しかし中村選手もラクして優勝した訳ではありません。
階級別を制した後思わず感極まった姿を見て、中村選手の今大会にかける「思い」を垣間見た気がします。


そして白眉はアブソルート級。
どうしても苦戦してしまう難敵塚田選手との死闘を終えた中村選手は、あまりの暑さと蓄積された疲労で両足が痙攣!


長時間立つことができず、僕なんかは続行できないのでは?と思った程でした。
しかし戦略を工夫しながら試合を続行し、準決勝においてはパンクラシスト石毛大蔵選手に対し、下から流れるようなスイープ→バックという連携から1本で撃破。
決勝でも西軍の大将格である強豪ヨースキ・ストー選手を、足関節に苦しみながらもポイントで下し、見事優勝しました。

先に触れたように今大会、関東の覇者であったグラバカはチーム成績で4位に転落、その座をトライフォースに明け渡しました。
この上、中村選手まで敗北してしまっていたら、大変な事になっていたでしょう。
中村選手はグラバカ総大将として、日本最強選手として、そして何よりも自身が選手としてより高みに到達する為に、全身全霊を懸けて今大会に臨んだのではないでしょうか。

我々柔術ファンは、大会の連覇や連勝、試合の出来等はもちろんですが、「柔術」という競技に対してこれほどまでに真剣に打ち込むその姿にこそ感動を覚えます。

柔術は例えどんな強豪選手であろうと「勝ったり負けたり」になる競技です。
これはシャンジ・ヒベイロやホジャー・グレイシー、ハファエル・メンデスといったトップ・モンスター達にだって言える事ですよね。

そしてそもそも悲しい事に、半アマチュア競技としての特性上例えヒョードルのように連勝を続けても、そこまで大きなメリットがありません。
UFCとかなら勝てば勝つ程ギャラも増えて、選手の生活も安泰になる訳ですが、柔術だと中々そういう訳にはいきません。

だから個人的な話ですが、僕は勝利記録に関してはそこまで執着を持っていません。

もちろん勝ち続けるのは素晴らしい事ですが、先に述べたように柔術はそれが難しい競技ですし、それにそんな連勝する事ができるなんて一部の選手だけです。

じゃあ常勝でない競技者の試合はつまらないのか?といえばもちろんそんな事はありませんよね。

中々勝てなかったりしても、次を目指して必死で練習したり、何よりもみんな日々の生活を少しずつ犠牲にして準備をし試合に臨む意志、勝ちたいという「思い」、そういう部分こそが貴重であると僕は思いますし、感動を受けます。

そして強豪と呼ばれる選手達、当然のように勝利を期待されている選手達が、いかにその日々を大変な強度の準備でもって本番を迎えているのか、どれだけ「勝利」に対しての思いを持っているのか、
今大会を通して、そういう事にあらためて気づかされました。

酷ともいえる暑さの中果敢に出場し熱戦を繰り広げた選手達、そして見事栄冠に輝いた中村選手の苛烈とも言える勝利への執念を目の当たりにして、改めてそういう「思い」の部分が光り輝いて見え、「だから柔術は楽しいのだ」との思いをあらたにしながら、熱気冷めやらぬ会場を後にしました。