ガワを支える人達・・・2012年コパ・ブルテリア③

みたび話題はコパ・ブルテリアです。

コパ・ブルテリア、全日本選手権、そしてヒクソン杯と立て続けのビッグイベントが終了した現在ですが、これらの大会を振り返ってみると、やはりコパ・ブルテリアの華やかさは際立っているように思います。

これは何故かと考えてみると、参加人数の多さはもちろんそうなのですが、個人的にはやはりインターネットでの実況放送や解説席の有無、アイドルやホベルト・サトシ選手のメダル贈呈などが大きな要因ではないかと思います。

「日本の柔術は果たして盛り上がっているのかどうか?」という話題になる事って良くありますよね。
これに上手く回答するというのは、実は中々難しいと思います。
何を基準に「盛り上がっている&盛り上がっていない」と判断するかで、全然違う結果になるからです。

競技者目線で言えば、例えばこのコパ・ブルテリアのような熱狂的な大会があり、しかも他にも数多く大会が開催されている、これは大盛り上がり以外の何物でもありませんよね。
しかし柔術の事情を知る人が「今は柔術人気ある」という前提で話しているのを聞いた事がありません。

このギャップはどこからくるのでしょうか。
これはやはり後者はメディアへの露出、そして一般的な認知度で判断しているから、という事になるのではないでしょうか。
そして一般的には、やはり後者のように判断する事が多いのではないでしょうか。

僕を含めて普通の人間は、テレビや雑誌に出ていたら人気があると思うものです。
そういう大きな媒体でなくとも、メディア的なものに取り上げられていると「オッ!」ってなりますよね。

やはりメディア・ミックスというのでしょうか?そういう部分が一般的にはいかに重要であるかという点が、こうした事からも伺えると思います。
そしてこういう側面って、日本の柔術界がこれまで苦手にしてきた部分でもあると思います。
「強さ」以外の部分で、世間に向けてアピールする事とでも言いましょうか・・・。

「強さ」という部分だけでモノが語れたMMA全盛期はもうありません。
柔術を知らない人に対しては、本当に手を変え品を変えアピールしていかないといけないと思います。
こういう点に関しては、ブラジル・ブログ等でお馴染みの橋本欽也さんが非常に長けていますよね。

そして現在実際に競技をしている人達だって、そういう側面における恩恵を受けるべきだと僕は思います。
コパ・ブルテリアにおいて実現した前述したような部分の存在だけでも、大会の印象として物凄く違うと思います。

そういう競技の「ガワ」の部分は、柔術を知らない人達にだけではなく、柔術をやっている人達に対しても非常に有益であると僕は思います。

自分の試合が放送され、キン肉マンやスポーツ漫画のように実況解説され、表彰台ではアイドルやサトシ選手がメダルを掛けてくれる・・・、嫌がる人なんて少ないと思います。
そしてもっと言えば、自分の活躍が活字になったり、映像やDVDとして残ったり、そういう事って普段修行僧のような生活を強いられている柔術本気組の人達にとっては、ちょっとした心のオアシスになるのではないでしょうか。 

そしてその映像面で現在、日本の柔術界において義士ともいえる映像ファイターが、フルフォース・プロダクションの荒木拓也さんです。
近年とみに各所から見放されている感じの国内柔術大会DVD、幻の2010年アジア・オープン映像を復活させた他、なんとドゥマウ大会のDVDをまったくの採算度外視で連発させるという力業!
これはもう柔術界としては願ったり叶ったりというか、全く想定外の嬉しい出来事で、個人的にも感謝感激というしかありません。

また橋本欽也さんの「柔術バラエティ決定版」ともいうべきYOUTUBE番組「柔術プリースト」も、観ている人なら荒木さんが関わってからいきなり画面が格好良くなり、高級感バリ上がりになった事がお分かりであると思います。
この番組は格闘技全く興味無い僕の知り合いも観ていたりと、柔術と無関係な人達との貴重な接点であるので、非常に有難い事だと思います。
ちなみにそのベスト版とも言える「柔術プリーストDVD」ですが、なんと世界中の柔術家が血眼になってコレクトしているハファエル・メンデスのスパー映像が長尺で入っているのでこれは買いです!!!!


しかもその内容・・・。
ここでメンデスは、「日本柔術界の王冠にはめ込まれた宝石」であるお馴染みの湯浅麗歌子選手とスパーしているのですが、何というか、「ベリンボロ・フォームを使用しないベリンボロ」というメンデスのレッグドラッグ思想ここに極まれりというようなムーブを連発していて、アヴァンギャルドこの上無いです・・・。


メンデスのスパー映像は、ブルテリアから発売されてい
るこのDVD
の物がとにかく素晴らしく、特にTTパスに関してはバイブルと言える程の充実ぶりなのですが、まだベリンボロ→レッグドラッグ・ルートが開発されていない時期なので、この「柔術プリーストDVD」でのメンデスの動きは、研究家にとってタワー・レコード店員手書きポップ風に言うと「マストでしょ!!」という感じヤバイです。

とにかくどういう状態からでも逆さ&ローリングしてレッグドラッグに持って行くという、「ベリンボロはフォームではなく思想」といった感じで、「レッグドラッグの関数式」を全開に駆使していると思われるメンデスの魔術的なムーブ、是非確認して頂きたいです!!

そしてラルフ・ゴーが橋本欽也さんとのスパーで、まさにTTパスのお手本と呼べるような素晴らしいムーブをしているので、これも注目です。

こういった世界的にも貴重な映像素材をDVDという形でパッケージして貰えるのは、本当に貴重な事だと思います。

柔術は競技でもありますが、文化でもありますよね。
文化とは「歴史」という形で後世に残さないと、いつか記憶から消えていってしまいます・・・。

華やかな装飾を身にまといながら、競技としての本質である選手達がきらびやかに躍動し、結果として素敵に鮮明な記憶が生まれ、それを歴史として積み重ねていく・・・。
「文化」としての素晴らしい流れを具現化し、その上で「ガワ」の威力を見せ付けた、コパ・ブルテリアはそんな大会だったと僕は思います。

コメントを残す