中塚!加古!ブラック・イズ・ビューティフル!!・・・2012コパ・ブルテリア②

前回の記事はおかげさまで反響が凄く、国内大会への注目度の高さに改めて驚かされました。
どうもありがとうございます。
今大会は黒帯の試合が非常に良かったので、大会自体がシマりましたよねー。
やっぱり黒帯の選手達が「これぞ柔術黒帯!」という試合で魅せてくれると、満足度が段違いですよ。
その中でも白眉がこの試合でしょう。

アダルト黒帯ペナ級1回戦・・・
ブルーノ・フラザト(ATOS)vs中塚靖人(グレイシー・バッハ)

ブルーノ・フラザトという世界トップの強豪に、日本勢が総掛かりで迎え撃つという構図が注目された今大会ですが、それに加えて「バッハvsATOS」という様式美も加わったこの一戦が大ヒート!


なんとのっけから中塚選手がダブル・ベリンボロ!!!!!!!!
うおおおATOSにベリンボロ!!!!!!!!!!
一見ATOSのお株を奪ったかに見える攻撃ですが、以前この記事でもお伝えしたように、少なくとも黒帯レベルでベリンボロを主武器として使用したのは、2005年のサミュエル・ブラガが最初と考えられています。
つまりこれはベリンボロの先祖返りですよ!?
うおおおベリンボロをバッハに返せ!!!!!

遥か極東の地で思わぬバッハの洗礼を受けたフラザト、一緒にローリングして難を逃れますが、ここで思わぬ収穫。
フラザトが「一緒にローリング・エスケープ」を使用した事で、この方法がベリンボロに対するATOSオフィシャル・エスケープの1つであろう事が判明しました。
確かアリ・ファリアスのアタックに対してブルーノ・マルファシーニがやっていた方法ですよね。
2011ヨーロピアン選手権・プルーマ級決勝・・・
アリ・ファリアス(ATOS)vsブルーノ・マルファシーニ(アリアンシ)

1分30秒あたりでやっていますね。
それにしても凄い試合ですね・・・。

世界中のファイターが頭を悩ませているベリンボロ対策、ATOS1軍にベリンボロを仕掛ければ彼らのリアクションから良い方法を知る事が出来るのではと期待されていた訳ですが、それが至難の業なのはご存じの通り、しかしそれをやってのけた中塚選手は、僕が知っている範囲だとおそらく世界初ではないでしょうか??

ムンジアル栄光の黒帯ペナ級において、名誉あるグレイシー・バッハ正代表に見事選出された中塚選手、フラザトから手土産を強奪!

その後ベリンボロ戦続行!!
引き込み合いからのリ・スタート時に良ポジションにこだわる等、極東の大会1回戦から思わぬ激戦を強いられたフラザトもヒートしていきます。
しかしベリンボロ戦からフラザトがエスケープ気味にアンクルを匂わせると、それが新たな戦いの火ぶたとなりました。
フラザトの足関仕掛けに中塚選手、勇躍して得意のアンクル・アタック!!!!!


これでフラザトの顔色が完全に変わる!!!
フラザトもアンクルをガチ取り!!!
獣のような迫力!
しかし中塚選手、必死にローリング・エスケープで極めさせず!
中塚選手の技術の前にフラザト思うように行かない試合展開、凄みは感じさせるも主導権を握りきれないまま時間が過ぎていきます。

そんなフラザトのストレスが頂点に達しそうな7分過ぎ、フラザトついにベリンボロを見事成功させ、バック・アタック!
しかしここでも中塚選手、あのブルーノ・フラザトのバックを鬼耐えですよ!!!!!
グレイシー・バッハさすがのディフェンス力としか言いようがありませんが、バック・アタックに命をかけるATOSとしてはこれは屈辱!

ならばとフラザト、スピーディに十字に変化!!!!
これが見事に決まる!!!
しかし中塚選手タップせず!!!!
これまでの試合展開でATOSの誇りをだいぶ傷付けられたであろうフラザト、もう必死でガチ極めにかかります!!!


しかし完全に形に入っているのに、中塚選手タップせずに極め切らせず!!!!!!
そしてなんとそこからエスケープに成功!!!
これにはフラザト完全にリズムを狂わされ、その後は積極的な動きは見せないままで試合終了。

試合はフラザトが勝利しましたが、中塚選手が見せた高い技術力と、「絶対にタダでは終わらない」という強い意志に会場が沸騰、華やかなりし今大会においても第1番の名勝負となりました。

僕はこの試合を見て、昨年のヒクソン杯におけるハファエル・メンデスの試合を思い出しました。

ハファエル・メンデス(ATOS)vs嶌崎公次(クラブ・バーバリアン)

この試合でハファエルは優雅に余裕カマしてた所を嶌崎選手のスイープを2回喰らい、特に2回目の見事な魂倒立スイープによって完全にキレて、本気出す事態となりましたよね。
海外から日本に来てくれる世界トップの強豪も貴重でありがたい存在ですが、日本の大会をそんな世界強豪達のオン・ステージにしない黒帯選手の存在は本当に頼もしいです。

そして今大会は同じくアダルト・ペナ級黒帯で、ご存じ加古拓渡選手が魅せてくれました。


個人的にGSB未来戦士vsATOS幹部の対戦は非常に楽しみでしたが、その実現の為にはピュアブレッドの元祖柔術弁護士関口選手、そして嶌崎選手という強豪を倒さねばなりません。
しかし加古選手は実力で見事勝ち抜き、 決勝というこれ以上ない舞台で対戦を実現させました。


vs関口選手戦は、加古選手が積極的に仕掛け続けるも老獪な関口選手がギリギリでかわす展開が試合終了直前まで続きました。
そして関口選手がアドバン1リードで迎えた残り3秒、加古選手が魂の倒立スイープ!!!!!
あの関口選手相手に残り3秒ギリギリで試合をひっくり返すという快挙!
見事に2回戦進出です。

2回戦は加古選手と、相変わらず空飛ぶムーブを縦横無尽に駆使して勝ち上がってきた嶌崎選手のマッチアップとなりました。


嶌崎選手は個人的に、日本において最もレオジーニョ的な感性に近いムーブをすると思っている天才肌の選手。
その凄まじいまでの身体能力を活かした天衣無縫なムーブは見ていて爽快で、また防御が困難で、数々の試合を圧巻なまでの展開で制しています。
今年度の国内上半期における天下分け目の決戦となった先の5・4ドゥマウにおいては、まさにその飛翔ムーブが爆発!!
階級&アブソを完全制覇して、大会MVP的な活躍を見せてくれました。
また前述したように、あのハファエル・メンデスにもその実力を存分に味わわせています。

そんな嶌崎選手と加古選手の試合は非常に拮抗したものとなりましたが、仕掛けを最後まで止めなかった加古選手にレフェリー判定を得て勝利しました。
この才能溢れる両者の試合は今後も是非見続けたい、国内黒帯選手の目玉マッチアップとなるでしょう。
そして加古選手は、重要な大会で強敵を連破した事によって、黒帯においてもその勝負強さを証明してみせました。
今後が非常に楽しみですね。

加古選手、中塚選手、嶌崎選手というタレントが揃った国内黒帯ペナ級、どの選手も試合出場に積極的なだけに、日本の大会で猛烈にしのぎを削りつつ、その勢いを保ったままムンジアルに殴り込むという、理想的な流れが出来てきているように思えます。
柔術トップたる黒帯選手が、常にフル稼働で才能を発揮し続けてくれる事は、柔術シーンの活性化にとって何物にも代えがたい、必要不可欠なアクションだと思います。
この流れが定着し、色々な大会が毎度大盛り上がりになると良いですよねー!
そしてペナ級に関して言えば、この渦に国内最強の誉れ高い中村大輔選手が加わって、一層混沌の度合いが高まる事が柔術ファンとしては何よりの楽しみ!!

また今大会は、ポゴナ・クラブジムの大原選手が、今年のムンジアル・ペナ級において最終日に残った福住柔術の小山選手を激戦の末に破るという快挙を達成しました。
いつもどおりの強さを見せる小山選手の一瞬の隙をついて、大原選手が風のようにヒップスロー&マウントを奪取!


その後必死で取り返しに行く小山選手ですが、大原選手渾身のガードの前にどうしても足を抜くことが出来ず、大原選手の勝利となりました。
両者が執念を見せた攻防に会場熱は高まり、大原選手勝利の瞬間には「ウオオオ」というどよめきにも似た歓声が沸き起こっていましたねー。

またRJJの岡本選手は階級別1回戦を、以前ブログのコメントで言及して下さっていた「1番絞り」で1本勝ちし、相変わらずの極めの強さを見せました。
まるで獣が喰い掛かるように、相手にのしかかって全身で極める!!!

こういう風にやるんですね!

黒帯選手達が試合でその技術を存分に披露してくれれば、これ以上のお手本はありません。
「試合に出て、良い試合をし、柔術の楽しさを伝える」
玉木選手や鈴木選手のようなホープが躍動した今大会は、ブラックベルトが百花繚乱し、そんな「柔術黒帯」の価値を見せ付けたイベントともなりました。
   

中塚!加古!ブラック・イズ・ビューティフル!!・・・2012コパ・ブルテリア②” への2件のコメント

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    >アメリカーナさん
    どうもありがとうございます。
    こういうレベルが高くて盛り上がる国内大会がたくさんあると素晴らしいですよね。
    ナイスなムーブしてくれる選手をどんどん紹介したいです。

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