新世代未来戦士・・・加古拓渡選手 パート②

前回までの記事で加古選手は、練習量自体は週6回と高強度ですが、意外にも柔術一色の道場で練習していないという事実が明らかになりました。

柔術新聞

しかし僕としては、これはかなりショックでした。


なにせ加古選手の使う技術は、総合の寝技とか、グラップリングとかでなく、まごうかたなくブラジリアン柔術の、それも最先端の物です。


誰もがやってみたいスタイルなのではないでしょうか。


どれくらい凄いかと言えば、やはりまだご覧になった事が無い人の為にも、試合動画を紹介するのが手っ取り早いでしょう。


それぞれの試合に加古選手がコメントを下さったので、みなさん是非参考にしてみて下さい!


まず全日本選手権の1回戦、vsトライフォースの宮本選手戦です。

http://www.youtube.com/watch?v=5kOe2RsrqMc

ぶおおおお!!!!!!!

もうまず引き込み時の姿勢からして何か雰囲気違います。

引き込み合いが得意な選手は、日本にもたくさん居ますが、サミュエル・ブラガ等ここから外回りできる人は、やはりなんとも言えない良い雰囲気持ってます!!

何かしてくれそう!


そして来た来た必殺ベリンボロ!!!!

空間が一気に緊迫!!

いやーはんぱじゃないです。

1回崩れそうになっているのに、時間を掛けてセットアップし直して最終工程にまで持って行っています。

ベリンボロを完全に理解していないと出来ない芸当だと思います。後で触れますが、ベリンボロはメンデスもブラガも、時間を掛けて技を進める事が多いですよね


対戦相手の宮本選手は、ベリンボロの勢いを上手く利用して、1回目は難を逃れます。


しかしなんと加古選手はベリンボロを連発!!!

この完成度のベリンボロを即時連発????

ここは本当に日本なのか???


個人的にベリンボロは、速く回る必要は無いと思いますが、連続して次々と仕掛けやすいと思いますし、それが強みでもあると思います。

一度セットアップに入られたら、逃げづらい訳ですね。

しかし加古選手のようにほぼ成功形のベリンボロを連発するのは非常に困難だと思います。

そもそもベリンボロは、ラストのフルバックの形まで持っていくのが非常に難しい技ですからね。

海外の選手でも、多くは「捨てベリンボロ」みたいな不完全な形を連発する事が多いです。

完成したベリンボロを連発するのは、やはりメンデスやブラガ等、本当のトップ所です。


ベースを完全に取り戻す前にベリンボロを仕掛けられてしまった宮本選手は、片足をめくられるのを防ぐ事が出来ません!

加古選手の、相手の片足をめくる方法に注目して下さい。

ゆっくりなので見やすいです。自身の左足と左手完全に足を絡め取っているのが分かると思います。

これでは逃げられません!!!


「1発目のベリンボロは、絡んでる脚が抜けてしまって逃げられてしまったので、2発目では回転しながら左手を逆手に抱える形に持ち替えました。あの組手にすると脚が抜けにくく、相手との距離を詰めることが出来ます。宮本選手も脚を組み替えて切り返そうとしてきたと思いますが、えーい行ったれ!という感じでバックを取り、送り襟絞めで極めました。」

このバックもどしつこいですねー!!

「右脚を持たれてて、表では取りにくかったので、裏にさせて取りました。」


衝撃的な勝ち方です・・・・。

試合見てた知人の知人は「こんな人居るのか・・・」と青ざめたそうです。

確かに加古選手に勝つイメージは、どうやっても沸いてきません。


全日本3回戦、相手はGRABAKAの若き強豪大塚選手!!

はんぱない強敵です!!

http://www.youtube.com/watch?v=aVCnKJl5RFM


いやー、やっぱお互い技知ってる人同士の引き込み合いは、見ていて楽しいですよね。

美しいです。

「引き込み合い、私は最初ベリンボロ狙い、大塚選手もベリンボロ、もしくは私の両脚を外に流して立ち上がりレッグドラッグを狙ってたと思ったので、やられないように脚のフックのポジション取りをお互いやり合ってます。」

一見足で邪魔し合っているようにしか見えませんが、こういう最新の攻防が行われているのです!!


よく引き込み合い状態をつまらないとか、武道的な見地から批判している人が居ますが、僕は全く違う印象を持ちます。


確かになんとなく引き込み合いやってたり、そこから足関くらいしかヴァリエーションを発展させられなかったりする場合は、つまんないですけど、この引き込み合いを見て下さいよ。

お互いベリンボロという必殺技狙いを中心に、複雑にセットアップをし合っていて、幾何学的な体勢はまさに現代柔術の美ですよ!!

冗長だなんてとんでもない。

ベリンボロをセットアップされたらほぼ終わりな訳ですから、常にON THE EDGEなんですよ!

この緊張感がたまらない!!

どういう回答がはじき出されるのか分からない、目的がはっきりした複雑な引き込み合いは、大好きです!!


そこから見事な内回り・・・。この回り方・・・・。分かっている人の回り方ですねー。


もちろん今までも、スパイラルガードという形で内回りは存在しましたが、なんというか、回転の勢いを利用しようとしていない人独特の、美しい回り方です。

今内回りやる世界トップの選手は、多くがこの回り方だと思います。


「私は左に外回転してベリンボロに行きたかったのですが、大塚選手の上体が逆側に倒れ重心もそちらに傾いた状態だったため、左外回転は難しいと感じたので、右足の内フックに切り替え、右側へ内回転、残った左足をアンクルで取り極めました。内フックに切り替えた時点で、最初から狙いは内回転からのアンクルでした。」

この極め極め極め!!!速い!!強い!!

回転技からの展開が、非常に強固に極めへ直結している事を、ここまでの戦いぶりでお分かり頂けたと思います。

ここが加古選手の凄みですよねー。

そして全日本の決勝戦です!!

これが熱い試合なんです!!

相手はあの中塚靖人選手

バッハ魂を日本で体現する、誰もが認める日本最強の茶帯の一人!

「中塚選手は一発の極め、特にアンクルとガードからの三角や十字が強烈だと分かってたので、ミスのないように慎重に戦いました。」

事実中塚選手はこの大会でも、凄まじい引き込みからの強力な片襟片袖ガードで三角を極めています。


まさに茶帯頂上対決と呼ぶにふさわしいこの組み合わせ!

内容もその通り、お互いギリギリで技を出し合う、激烈な最終決戦となりました。

http://www.youtube.com/watch?v=7H3IvkoX4cY

立ち会いから良い雰囲気!

引き込み合いから、中塚選手の強力なグリップを避けて、お尻だけで鋭く移動して、セットアップを仕掛ける加古選手のムーブが凄いですね。エビの移動距離がはんぱないです。


そして中塚選手がハーフ下ポジションの1分20秒くらい、ここから加古選手がベリンボロを匂わせます。


凄い入り方です。ここからベリンボロ入られたら、防げる人居ないと思います。


結局ガードに戻すのですが、この戻し方もはんぱじゃないですね。

サミュエル・ブラガが良くやる、ベリンボロからの変化の1つだと思います。


この後、強力なベースを誇る中塚選手のプレッシャーが凄いですが、加古選手も見事なガード足で防戦します。


1分50秒くらい、加古選手が素晴らしい巻きつき→膝十字から見事な回転を見せますが、こういう回転ムーブを自然に出せる選手が日本に居た事がヤバイですよ。

これはマイケル・ランギが良くやる動きに似てますが、他の人がやっているのはあまり見た事ありません。

だって出来ないですからねそんな簡単に。

あとはライアン・ホールくらいでしょうか・・・。


そこからXガードに移行して速攻バックを狙う加古選手。

しかしそれを察知してカウンターでアンクルをセットアップする中塚選手!

中塚選手のアンクルはヤバイ!!

避けて必死にバックに付く加古選手。

そこを中塚選手が瞬時にバック返し!

そして即腕を入れて加古選手の追撃を許さず!

「途中、アンクルを狙われた時とバックを逃げられた時は冷や汗モンでした。」


いやーアツいですよこの試合!!!

そしてこの後、中塚選手のアタックと加古選手のガードがぶつかり合います!


ハーフから強力に揺さぶる加古選手ですが、中塚選手はさすがにベースが強く、スイープし切れません。

それに中塚選手は何と言っても足関がコワイ・・・。


ならば必殺ベリンボロでしょう!!


4分50秒くらい、あれ?なんか帯じゃなくて襟持ってませんか?

「右手は襟を持った状態からベリンボロに入ってますが、相手が立ってる状態の時は、私は帯より襟持った状態から入ることが多いです。」

これはナイス情報!!!真似しましょう!!!

「カウンターの足関節が怖かったのと、時間的にも2点が欲しかったので、左足のフックを入れ替えながら、左手で胴を抱えながら、奥の襟を取りながら、レッグドラッグの形で起き上がりまず2点、胸で背中を圧迫するプレッシャーを終始掛けながら相手の動きに合わせてバックを取り、絞めで極めました。」

面白い試合でしたねー。


そして加古選手、こんな大舞台で、超強豪相手に必殺技を決めて勝利、これは来ましたよ。

柔術新聞

いかがでしたでしょうか。

加古選手が如何に、従来の日本人選手と異なった技術を身に付けているかお分かり頂けたと思います。


だから僕は驚いたのです。「この技術をどうやって?」と・・・。


今回は試合動画紹介でたくさんになってしまったので、柔術新聞初の3部制をもってして、最終回である次回その秘密を探ります!!