2011アブダビ・プロ柔術まとめ タンキーニョ戴冠!!

先日盛大に行われたアブダビ・プロ柔術、正式にはワールド・プロ柔術というのでしょうか、多くの選手がギとノーギを掛け持ちしていて、かつ珍しい試合カードや波乱の結果が多かったので混乱しましたね


だから大体の事をまとめてみようと思います。


まずは-65キロ級です。動画等の情報がとても多いので、この階級は独立してまとめてみようと思います。

ギ有りの部、

クラッカー1位・・・アウグスト・タンキーニョ・メンデス、2位・・・ハファエル・メンデス

柔術新聞

渋い強豪タンキーニョが遂にビッグタイトル獲得です!

しかも現在世界最強のハファエルを同階級で破っての勝利は、コブリンヤ以来の快挙と言えるでしょう。

タンキーニョ自身が激闘を振り返っています。

http://www.graciemag.com/en/2011/04/tanquinho-and-the-mission-of-dismembering-the-atos-squadron/

1回戦 ○3-2× ライアン・ホール パスするもスイープされる。

2回戦 ○4-2× アリ・ファリアス  

元彼今彼対決。TDするもスイープされる。しかしスイープ仕返す。

3回戦 ○4-4× ギリェルミ・メンデス 

アドバン差で勝利。昨年のブラジリアン・ナショナルズに続き勝利。

準決勝 ○0-0× エドゥアルド・ラモス アドバン差で勝利。


いやー凄い成績ですね。

相手超強豪ばかりです。個人的には2回戦が精神的にキツそうですね。


そして決勝の相手はハファエル・メンデス!!メンデス対決ですね。

タンキーニョvsハファエル・メンデス

http://www.youtube.com/watch?v=XGagFaGzBN8

必殺の巻きスイープ、炸裂してますね!!!!

後転&オモプラッタ気味に巻き込むのがタンキーニョ流ですね。


タンキーニョは僕が知ってる範囲ですけど、はじめはペナでムンジアルに出場してコブリンヤと戦ったりしてましたが、

http://www.youtube.com/watch?v=STYp7uAsN78  

その後レーヴィに階級を移して試合していましたね。

そしてそのレーヴィ級でこの名勝負を演じました。2009年ムンジアルでのvsマイケル・ランギ戦です。

http://www.youtube.com/watch?v=FUeCfIcwr6M

http://www.youtube.com/watch?v=sj1tQ3vydDA

開始早々タンキーニョのはんぱない巻きスイープが炸裂!!!!

まるで自然現象のようにスコーンと転がりますねー!!!!

ンキーニョのぶっとい下半身と、まるでボクサーのように相手のクラッチ切りまくる反射神経に支えられたはんぱないベースキープぶりも注目です。


未来型回転スパイダーをあやつるマイケル・ランギに対し、漢の巻きスパイダー1本で雄雄しく立ち向かうタンキーニョが噛み合い、大激戦となりました。


その後もマリオ・ヘイスと激闘を演じたりしている、たいへんな強豪です。

http://www.youtube.com/watch?v=SUhyYBxkEGs


タンキーニョとは「ミニタンク」みたいな意味だそうで、1983年生まれ、アルバロ・マンスールの下でトレーニングを続けてきたそうです。そしてエリオの黒帯9段であるマスター・フランシスコ・マンスールから黒帯を2004年に取得しました。柔術のインストラクターで稼いだお金で大学に通い、苦労の末に身体・体育学の学位を得たりもしている、とてもしっかりした人みたいですね。

柔術新聞

その後自身のトレーニングをもっと強化したいと思うようになり、マンスール道場から離れます。そしてこれまた苦労の末道場を開設し、同じく独立して道場を開いたものの思うように生徒を集められていなかったハファエル・バルボーザレアンドロ・エスコバルも合流して、マンスール道場と協力しながら運営を始めたそうです。

これがソウル・ファイターズの生い立ちだそうです。

http://www.bjjheroes.com/bjj-fighters/augusto-mendes-tanquinho-bjj-fighter-wiki

現在は生徒数1,000人、支部数20、黒帯10人を抱える大勢力となりました。

これは大変なやり手ですね・・・。

マッケンジー・ダーンを落とすだけの事はあります。

柔術新聞

日本にもソウル・ファイターズの支部があるようですね。

http://soulfighters.web.fc2.com/index.html


まさかハファエルを倒して優勝するとは思ってませんでしたが、こういう渋い選手がビッグタイトルを獲得するのはとても嬉しいですね。


一方、アブソと併せて前人未到の軽量級によるアブダビ・プロ完全制覇の芽を、レフェリー判定によって摘まれてしまったハファエル・メンデスですが、その世界最強の実力を存分に発揮してくれました。

ハファエルvsグスタボ・ファルシローリ

http://www.youtube.com/watch?v=GLaz9_gnCos

ハファエルvsハファエル・フレイタス

http://www.youtube.com/watch?v=2Bh2fYKbyXc

ハファエルvsブルーノ・マルファシーニ

http://www.youtube.com/watch?v=jC_9pib6fsc

ベリンボロ炸裂させまくってますね・・・。

ハファエルのベリンボロ、防御不能の状態は続くのでしょうか・・・。

その他では、ブルーノ・マルファシーニが3回戦であの難攻不落のブルーノ・フラザトをアドバン差で下しているのが特筆すべき事項でしょう。

最近はカイオ・テハのあまりの活躍ぶりの前に、少しおとなしかったマルファシーニですが、階級差を越えてあのフラザトを倒すというのはかなりはんぱない出来事だと思います。

その他マルファシーニのギ有りの部の試合です。

http://www.youtube.com/watch?v=MFWNGt73n0c


ギ有りに先立って行われたノーギの部ハファエル・ギリェルミ・フラザト・エドラモスで同門優勝シェアでした。

この時は「ギ有りもATOSで同門優勝かな・・」とか思いましたが、波乱が待っていましたね。

しかしパンナムに続きペナ級を完全制覇、本当に強いですね。

ホミーニョが見かねて「同門でも試合しろよ」と声明を出す程、ATOSによる無風階級になりかけていましたね。

というかそもそもアブダビプロにノーギ部があって、こんなたくさん選手が出場するなんて思ってなかったので、急に始まって驚きました。

その他の試合です。

ハファエル・メンデス

http://www.youtube.com/watch?v=jXXarg2U-lI

ハファエル・メンデスvsベルナルドファリアに勝利したジルマー

http://www.youtube.com/watch?v=MhKsxLpdiuI

もはや恒例となったハファエルvsギリェルミの兄弟決勝戦

http://www.youtube.com/watch?v=u35BL8S3aO0

ハファエル・メンデスvsホドウフォ・ビエイラ

http://www.youtube.com/watch?v=ylDUiXFv8sc

ブルーノ・フラザトvsヘイナウド・ヒベイロ

http://www.youtube.com/watch?v=0m7DFYRh9hg

ブルーノ・マルファシーニvsウェリントン・デイアズ

http://www.youtube.com/watch?v=7D81HmAe0bE

アリ・ファリアス

http://www.youtube.com/watch?v=qYH4sfCRiNM

ギリェルミ・メンデス

http://www.youtube.com/watch?v=6a4aGiz9Q6U


数々のレフェリー判定に激昂して、-65キロ級の表彰台登壇を拒否してしまったハファエルですが、その行為に対し反省の弁を述べています。


「対戦相手に何か悪い感情があった訳じゃないんだ・・・。混乱してしまった。タンキーニョはナイスだったよ。おめでとう。僕を応援してくれていたみんなに申し訳無い。なんであろうと表彰台に行くべきだった。けどこの敗戦は僕をさらに上のアスリートにしてくれるだろう。約束するよ。全試合勝てるように1000回練習する。2度とチャンスは逃さない。2度と他人に自分の運命を委ねるような状況にはしない。僕は悪い態度を取ってしまった。感情に流されてしまったんだ。」



「ヘンゾ・グレイシーにはこの件でずいぶん助けられたよ。ありがとう先生!!そして忘れる事が出来ないのは、タハヌーン王子が僕に言った言葉さ。僕の試合後に、彼はこう言ったんだ。『いいかいハファ、君は僕が見てきた数々の選手の中でもベストなんだ。二度と他人に結果を左右されなくて済むように、これまで無かった程練習するんだ。』だから僕はそうするつもりさ。」

http://www.graciemag.com/en/2011/04/rafa-mendes-reflects-%E2%80%9Ci-messed-up-i-got-carried-away-by-feelings%E2%80%9D/

ハファエルって今以上に練習できるんですかね?

タハヌーン王子無茶言いますねー。


それにしても非常にストイックな内容のインタビューです。

あれだけの強さを極めていながら、なお自分に対し非常に厳しく当たるハファエルに刺激を受けますね。

僕よりひと回り以上も年下なんですねこれでも!!

カイオ・テハの提言・・・薬物使用は是か非か??

昨年から今年にかけて、完全に柔術界のキーパーソンとなっているカイオ・テハ。
$柔術新聞
ツイッターで既にお伝えした通り、2011パン選手権グレイシー・マガジンのインタビューに対して、「俺は今日ここに、技術はステロイドに勝てるという事を証明するために来たんだ。薬物テストは一刻も早く行われるべきだよ。
http://twitter.com/#!/graciemag/status/52162591337877506
とブチまけて大変な話題となっています。

そして先日、フェリペ・コスタもツイートを介して、カイオのこんな発言を紹介してくれました。
「【100%ステロイド・フリー】パッチを作って売り上げをムンジアル・ファイナリストの薬物検査費用に回したいんだけどみんな協力してくれるかな?こうすればIBJJFも検査しない理由が無くなると思うんだ。みんなで柔術界を次の段階に引き上げようぜ!!」

http://twitter.com/#!/felipecostabjj/status/54719216363900928
誰もが気付いていながらイマイチ踏み出せない、そんなもどかしさのある格闘技における薬物問題ですが、カイオのおかげで、ここに来て議論がヒートしてきました。

これはShoyorollブランドがフェイスブック上でステロイド使用の可否について意見を集めたものです。大変熱い議論になっていますね。
http://www.facebook.com/shoyorollbrand/posts/200350543321448
$柔術新聞
昔からムリーロ・ブスタマンチやヒクソン・グレイシー、そしてフェリペ・コスタ等が繰り返し意見を呈してきた薬物問題、実際誰が使っているという話ではなく、今後どうすれば良いかという話をしたいです。


僕の個人的な意見を言わせてもらいますと、薬物はもう全然論外でダメダメです。
だってそんなの使ってる人と試合やスパーしたくないですもん。
自分も相手も超危ないじゃないですか。
こっちの首が折れちゃったり、相手の心臓が発作で止まっちゃったらどうするんですか。
両方とも柔術の極めと無関係な決まり手です。
柔術に相手の首折ったり心臓止めたりする技無いですからね。
柔術以外の所での事故は御免です。

柔術って強さが至上命題じゃ無いと思うんです。
強くない僕とかも楽しく柔術できている訳ですから、それ以外の魅力だってあるはずです。
以前はMMAの場においてホイス・グレイシーやアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが柔術の有用性を示してくれて、その強さが大きな魅力となっていました。
現在でももちろんそれは変わりませんが、MMAで使えたからとか、強いからとかいう前に、それらを全部含めて「柔術」という競技独自が発する、強さを超えた部分での魅力、常に柔術と共にあるというライフスタイルに惹かれている人が、僕も含めて多いのではないでしょうか。
そうした柔術の魅力に、薬物が入る隙は無いと思います。
みんな強くなりたいし、強くなれば誰だって嬉しいですけど、薬物使って強くなっても僕はアマチュア愛好家なので嬉しくないですよ。
それって柔術強くなったって言えないですもん。
僕的に、柔術の場において自分に打ち克っていないからです。
もちろん薬物使えば簡単に強くなれるとか、そうは思っていません。
薬物の種類にもよるでしょうが、なんでも通常以上のハードトレーニングと、大量の栄養&水分摂取が必要となって、とっても大変だとか。しかしその大変さって、柔術と言えるんでしょうか。
身を削って勝負に賭けるその決心は、確かに克目すべき事かもしれませんが、果たしてそれは柔術と関係ある献身なのでしょうか。
身を削る事が偉いのなら、アダルト苦行の部とかを作って、三角木馬の上で三角したり、剣山でエビやったりする種目を作るべきだと思います。痛そうですねー。柔術かどうかは分かりませんが、そういう種目なら確かに薬物まみれになっても目的に沿っているので尊敬できます。
その競技のチャンピオンやばいですよ。

しかし柔術はそういう競技では無いはずです。
また薬物検査の難しさから、実施してもいたちごっこになるだけだという意見も良く目にしますが、現状の柔術界ではいたち野郎も、ルールを守って競技している人達もいっしょくたの状態です。
$柔術新聞
これでは薬物使用していない人達は浮かばれないと思います。
例え長い戦いになろうとも、まずいたちごっこから始めた方が良いのでは無いでしょうか。
今後柔術という競技をより一般に普及していく上で、薬物使用の根絶を掲げることは、決して無駄な事では無いと思います。例え色々不完全な部分があっても、マナーを守って競技をしている人達を保護する姿勢を、IBJJF等柔術を統括する立場にある人は、いつか見せて欲しいと思っています。