“小さな巨人”カイオ・テハ、アブソルート級試合動画

ここ最近、その度重なるアブソルート級での奮闘でもって、ニュースの少ないこの時期の柔術界を盛り上げているカイオ・テハ!

柔術新聞

先日行われたカイオのアメリカン・ナショナルズにおけるアブソルート級決勝戦の試合動画が入ってきました!

http://www.youtube.com/watch?v=1VHVbpG-AyA

対戦相手はみなさんお馴染み、2010年ムンジアル・スペルペサード級3位のブルーノ・バストスです。


ていうかカイオはこの大会にはガロ級で出場しています。

えーと何階級差ですかね・・・。


ていうかブルーノは普通に重量級の強豪ですよね・・・。

カイオはこのアブソルート級においてこの試合まで、1回戦不戦勝、2回戦ホドリゴ・シモエス(グレイシー・バッハ、普段レーヴィ級くらい)に膝十字で1本勝ち、3回戦マルセロ・マルファ(チェックマット、普段レーヴィ級くらい)に6-2のポイント勝利で勝ち上がってきました。


試合を見てみると、まずバストスが上で、カイオの左側を圧しながら進んで行きます。

強引にカイオのガード足を押しつぶして、噛み付きとか狙いそうな雰囲気ですが、警戒してイマイチ躊躇しているように見えます。そしてゆっくりとハーフに持っていくのですが、ここでのカイオの防御に注目です。

何が何でも首に腕を回させません!!

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サウロ・ヒベイロが自身のDVDの中で、「スパーでも試合でも、今まで首に腕を回された事は一度も無い」と自慢していましたが、同じようにカイオもハーフガード防御の基本を忠実に遂行しており、腕を首に回される事だけは必死で防いでいます。

そしてその状態を続けて3分くらいからです。バストスがアタックするために少し動いたのに合わせて、カイオ必殺のハーフからの三角!!!

いつハーフ足を引き抜いて相手の肩口に持っていったんですかね???

マジ見えないって!!!!!!!!!!1なんというフレキシビリティ!!!!1

この異常な足の効きをなんとなく察知したから、バストスもガードから動けなかったんですかね!!!

足を掛けられたてバストスが「ヤベッ!」って顔で防御したら、カイオは即座にオモプラッタに移行!!

柔術新聞

はえー!!!!!!!

バストスはそれをなんとか振り落として防御しますが、再びハーフガードからカイオの徹底首防御です。

バストスの腕と肩口を制しながら、ちょっとでもスペース空いたらまた足をすっ飛ばして三角狙い!!!

結局クローズドに戻します。


「パスする際にまたなんかやられたら嫌だなあ」って感じのバストス、めちゃくちゃ丁寧にパス作業にかかりますが、超イヤイヤっぽいです!

すっかりカイオの仕掛けにおっかなびっくりのバストス、持ち上げたりなんかしますが、膠着の注意を受けてしまいます!

あわててカイオを持ち上げるバストス、しかしそのキワでまたもやカイオのオモプラッタを喰らいかけます!!


「だからイヤだって言ったんだよ」って感じであわてて座り込むバストス、もはや打つ手なしです。


そして三度持ち上げたその刹那、またもやオモプラッタを喰らってしまいます!!!

カイオの仕掛けがPANEEEEEEEEEE速い!!!!!

バストスが立とうとして、上体を前傾させた瞬間に仕掛けてます。

確かにそうすれば足掛けやすいかもですが、普通そんなに速く足動かせません。


そして体勢が崩れても絶対に首に腕を回させず、足関節狙いも交えてナイスガード!バストスのパスを許しません。


最後バストスが猛然とパスを仕掛けても落ち着いたもので、ラストはバストスを持ち上げてスイープしかけた所でタイムアップ、見事に勝利を収めています。


なんか動画だけ見てると、一瞬簡単に出来そうな感じしちゃいますけど、まあ普通無理ですよね。

ちなみに僕も普段ガロとプルーマの間くらいなんですが、試合でブルーノ・バストスと当たったら走って逃げます。当たり前ですよそんなの。


以前紹介したプロフェッサー・ヒリオンのインタビューに、「試合中ガードの中の相手に、ずっとサブミッションの恐怖を味わわせるのだ」とありましたが、まさにこれではないでしょうか。ブルーノ・バストスを、試合中常に1本の恐怖でおびえさせて試合を有利に進める、ホジャー・グレイシーがやるのなら話は分かるんですけど、ガロ級のカイオ・テハがやってしまうという・・・。

技のキレは階級を超えるんでしょうか。

それにしても超え過ぎでハンパないです・・・。


試合後のバストス、「カイオを押し潰そうとしたんだけどさ、めっちゃ足が飛んできまくって参ったよ(笑)。カイオはラスベガスでもアブソで優勝して、今回もだよね。俺ももっと小さなヤツと練習しないとな(笑)。カイオの柔軟性にはやられたよ。パスしようと頑張ったけど、できなかったね。」

そしてカイオもバストスの試合中におけるマナーやスポーツマンシップを称えており、お互い「もう二度と試合したくない(笑)」と言い合ったそうです。

柔術新聞

これがラストマッチ?コブリンヤ最新試合動画

ハファエルとのデスマッチ騒動以来ご無沙汰だったコブリンヤ、以前紹介したインタビューの内容通り、9月18日にCanadian SubXという大会のスーパーマッチに登場したようです。

相手はヒクソン・グレイシー柔術所属のシェーン・ライスです。

この試合動画、観ていてどうも違和感を覚えるのは僕だけしょうか。

http://www.youtube.com/watch?v=Xy-tZoSkSYM


まずコブリンヤがやたら丁寧に引き込んで、両足担がれ状態の攻防からスタートします。

コブリンヤお得意のポジションですし、これは別に問題ありません。

そこから相手の足を掬って、これまたお得意のなんか凄い振り子スイープを成功させ、良いポジションを取ります!


しかしそこからなんかお上品にハーフ足を抜こうとしている間に、シェーンに返されて上に乗られてしまいます。


???


現代柔術はスイープ!スイープ!スイープ!って感じで、やってやってやり返されて的な展開は当然ですし、コブリンヤだってスイープされる事は当然ありますが、なんかこういう感じで返されちゃうのはあまり見た事ありません。

ウィルソン・ヘイス等、体力ある相手にタイミングで返されると、競りまくって何が何でも上をキープするタイプでは無いのであっさり下になる事は確かにありましたけど、どうも感じが違うというか、拍子抜けします


その後また両足担がれ状態の攻防が続きますが、再びコブリンヤそこから見事に相手の脇を足で制してシザースイープを決めます!!


そこからシェーンのガード足をくぐり抜け、TTパス等を狙いながらも最後は腰切るパスで見事にパス成功!!

すごいかっこいいです。


そしてそこからもうコブリンヤの18番と言ってよいでしょう、サイドバックというか外国だとBow and Arrowチョークポジションって言うんですかね、つまり送り襟締め狙いやすいポジションを奪取します。コブリンヤはここから足フック入れる前に絞めに入って、そのまま極めちゃう事も多い、ファンにはお馴染みの体勢ですね。


しかしここからの攻めがなんかイマイチぬるい感じが・・・・。

ここからマリオ・ヘイスとかをキューキューに絞めていた、あのコブラの牙が感じられません。


そして最終的には、マルコ・バルボーザの教則DVDにも収録されていた、バックから絞められている時に、相手の絞めている方の腕側を下にして、相手の肩を押し付けて制しながらポジションを返すというエスケープ方法をキッチリ実践されて逃げられてしまいます!


(いつかちゃんと紹介したいですが、いつできるか分からないのでとりあえず簡単に。このマルコ・バルボーザの教則DVDは、バックからの展開について、あのサウロ・ヒベイロのJiu-jitsuRevolution1・2を補完すると言っても良い充実度を誇り、またいわゆる腰殺しTTパスについても、ハファエル等との入り方は違いますが、先んじてあのフォームを紹介しており、大オススメです。
柔術新聞
入手もしやすいですしね。

http://www.b-j-j.com/180_1917.html

ちなみにハファ&ギのTTパスが斬新なのは、100発100中と言っても良い成功率を誇るあの洗練された入り方と、特にギリェルミがそうですが、このパス方式に凄く固執する所だと個人的には思うんです。バルボーザ式だと僕が下手なだけなんですけど、ハファ式のようにスパっと上手く入らない事が僕に関しては多いです。テレレのやり方とも違いますよね。ちなみに足をキャップした後の展開に関して、ハファ&ギはほぼ逆サイド、そして時々マウントって感じですが、バルボーザ方式はそのまま進行方向にパスして行く方法が紹介されており、クラシックな感じですが、最近は逆サイドに飛ぶパターンをどこでも良く見かけるので、この進行方向にパスするやり方がかえって新鮮に感じられます。

つまりサウロのDVDとハファエルのDVDを持っている人両方にとって、参考になる内容が多いです。)


このシェーン・ライスという選手は別に弱い選手ではなく、体が強くて返しが異様に上手なのは事実です。

以前ジェフ・グローバーと対戦した際も、キワで競れない(競らない?)ジェフの間隙を付きまくって、ジェフの複雑な仕掛けをことごとく返したあげく、男の一本道みたいなクロスニー・パスでドドーンと対抗したりして、名勝負を演じていましたが、それにしてもコブリンヤの悠然たる大家っぽい試合運びが気になります。なんかサウロ・ヒベイロの試合見てるみたいです・・・。

なんか観客サービスしてるんでしょうか?

そしてその後TDしようとして足払いに失敗し、自分から下になってしまいます・・・。

TD出来そうな場面でも、おかまいなしにビッシビシ引き込んでいくのがコブリンヤだと思うんです。


その後上で座り込んでるシェーンをひっくり返し、今度はTT式にヒザで相手のガード足をスイープ時からキャップしていたため、あっさりパスに成功し、バックにまわります。


しかし先ほどと全く同じ返され方をしてしまいます!


それでもなんとか踏みとどまってバックから送り襟締めを狙いますが片足のフックが甘い所を突かれてハーフに戻されてしまいます。

あそこからこんなに何回も逃げられるコブリンヤなんて・・・・。


まあ最終的には4度バックを狙って、やっと極める訳なんですけど、このモヤモヤ感はどうした事でしょう・・・。


こんな淡白なコブリンヤはあまり見た事ありません。

トーナメントなら温存とかあるかもですけど、これワンマッチですしね。

ノーギワールズとかありますし、この試合で現役最後という訳では多分無いんじゃないかとは思いますが、なんかコブリンヤらしくないテンションの試合を見せられてちょっと複雑というのが正直な感想です。

みなさんはどう思われましたでしょうか?

今日の柔術いい話 ヒリオン・グレイシー

柔術に関する良いインタビューや良い話を、適当に選んで紹介していく新シリーズを始めてみようと思います!

第一回目の今日は、ヒリオン・グレイシーのインタビューです。

柔術新聞

ヒリオンは黒帯6段、カーロス・グレイシーSrの末っ子で、ホジャー・グレイシーのお母さんであるヘイラさんのすぐ下の弟さんであり、カーロス&エリオの両グランドマスターから「プロフェッサー」の称号を許されている、柔術の達人です。

また日本においてもヒリオン・グレイシージャパン支部が活動しており、その名が知られていますね。

http://hp.tcup.jp/rilion/

プロフェッサー・ヒリオンはガードの名手として伝説的な存在です。

http://www.youtube.com/watch?v=amuojsHyJ44

僕もプロフェッサー・ヒリオンの試合を多く見た事ある訳ではありませんが、残っている(プロフェッサー・ヒリオンの高弟ホムロ・ヘイス選手の)動画を見てみると、フレキシブルながらも堅固なガードから、特にハイガードにするでもなく、グイっと腰を切る訳でもなく、そのままの姿勢で普通に十字を極めてて凄いです・・・。なんか股関節から直接足を動かしているというか・・・。良く見ると他の部位の姿勢をあまり変えずに、足の付け根だけが異様な動きをしてます・・・。コブリンヤもこういう風に足の付け根から直接動かしてた覚えがあります。恐ろしいですね。


そんなプロフェッサー・ヒリオンが去年行ったインタビューをご紹介します。

http://www.graciemag.com/en/2010/09/9686/

インタビュー記事に対して「ヴェウドゥム&アンデウソンの勝利によってガードからの攻撃に対する周囲の評価が高まった今こそ振り返りたいインタビュ-」みたいなグレイシーマガジンの煽りが付いてますが(笑)、別にそういうの関係無く、おそらくガチガチのクローズド一辺倒であった昔のガードから、より相手を動かせながらコントロールする今日のガードに至るガード哲学の変遷が伺えて、非常に興味深いです。


~ヒクソンはいつも、あなたがファミリーの中でもベストのガードを持っていると言っています。どうすれば良いガードができるんですか?~

「ガードというのはいつだって、二人の人間の戦いの場において、60キロの人間が120キロの人間に対して筋力の差を補い、その上ビックリさせる事ができるというように、差がある二人の戦力を均衡させる事ができる救いの道なんだよ。

25歳で黒帯を取得した時、私は59キロだった。そして私は常に勝利への意思を持ち、ファミリーの柔術がセルフディフェンスの芸術である事を理解しながらも、相手を極めるという側面を持っている事も忘れなかった。

同じように今日では、体力不足を補いながらも素晴らしいガードを見せる痩せた選手がたくさん居るだろう?私もそうだったんだ。ガードとは、肉体の弱さを助けてくれるものなんだ。」


~どうやって自身のゲームプランを深めていったんですか?~

「ホーウス、カリーニョス、ヒクソン、クローリンといった私がお手本としてきた人達によって導かれた結果、私はいわゆるまるっきりのガード、私が興味を持たないような、相手を引っ掴んで自分の身を固く守る事以外は何もしないというようなガードではなく、本当に良いガードというものを、誰に対してもしなくてはいけないという事を学んだ。

けど私の頭を最初に・・・ちなみに青帯の時だね・・・支配していた考えは、もし私があらゆる技術を、手足を総動員しても、ガードにおいて相手と戦力を均衡させる事ができなかったら、パスされて殺されてしまう・・・、だから3倍の力を使って、私の胸に乗って首や耳を押しつぶしてくる相手の重さを上回らなければならない、という考え方だった。私の最初の考えは、負けないためのものだったんだ。」


~次のステージはいかがでしたか?~

「紫帯の時は、私は既に本物のフレキシブルさを身に付けていて、ちょっとした大会などでは、パスできないガードとして評判だったよ。

しかし、上の人間が疲れ切って動きが止まり、その結果私の三角絞めに掛かったり、私がバックを取ったりするような場面が増えてきた。これが私が辿り着いた次のステージで、茶帯の時に更にこれを深めていったんだ。

攻撃的なガードにディフェンシブさを調和させて、たくさんの試合でバックアタックやスイープ、ガードからのサブミッションとミックスしていったんだ。まさにこの時が、私の柔術が全ての面において上達し始めた時だと言える。

なぜなら私は相手の上を取り始めるようになったので、そういう良い状況やポジションを最大限に活かす必要が出てきたんだ。最近、私は下よりも上が上手なんじゃないかと思うんだよ。私は上から攻めるのが好きだった。フェンスを飛び越えて相手を攻撃するのが目的だったんだ。」


~相手をガードの罠に陥れる秘訣は何なのですか?~

「ある種のガードにおいては、君は相手の袖を掴んで、腕を締め上げる、しかしこれだと君もそれ以上何も出来ないで、見苦しい戦いになってしまう。また別の種類のガードは、君は相手に少しだけ隙を作ってあげる、相手はパスできそうだと思い力を使って一生懸命パスしようとする、しかしパスできないという代物だ。僕はこっちの、つまりちょっと隙を作って相手にパスを仕掛けさせて、で力を使わせて疲れさせて、その上で色々な罠にはめてガードで仕留めるという方面の技術に特化したんだ。なぜなら、私は疲れない人間なんていないと思っているからね。例え世界最高に仕上がった選手だって、正しい技術の前にはそれなりの対応を迫られ、いつか必ず疲れるものだ。

誰にだって限界はある、そして相手をその限界に押し込める方法を見付けるのは君次第という事だよ。」

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~一番好きなガードは何ですか?~

「まず私にとって柔術とは、容易で、効果的なものだ。これは道場に来たどんな人にだって上手く教えることができるための秘訣でもあるんだよ。そうでなければ、誰も来なくなってしまうだろうね。

私は相手に対して、少なくとも私の戦い方として正しいガードを取るように気を付ける。そして相手にずっとサブミッションを受ける事の心配をさせ、タップの恐怖と戦わせるんだ。たとえ相手が正しい防御法を知っていたとしても、相手は恐れで疲弊する。そして相手がミスした時には、もうやられているという訳さ。

相手が優れていれば優れているほど、相手をより心配させないといけない。

私ももちろん時々ハーフガードだって使う。しかし相手が本当に優れていると、例えスイープに成功したとしてもその相手は下からまだ抵抗を続けて勝利を狙ってくるよね。だからある選手がスイープする、すると相手がスイープし返す、現在試合においてよく見る場面だ。もちろんガードを取るときには、その目的をはっきりさせておかなくてはいけない。もしポイントの為にスイープする目的なら、それで何の問題もない。けど私はね、相手にスイープの心配ばかりさせておくのでは満足できないんだ。ずっとサブミッションの恐怖に陥れておくべきなんだよ。」


~嫌いなガードはありますか?~

「私は全てのポジションを尊重しているよ。もし全然種類の違う10人の生徒にあるテクニックを教えるとなると、

どんな生徒にだって得意と不得意があるからね。柔術は無限の芸術だ。背の短い人間が足の長い人間と同じ戦い方をする必要は無いんだ。それがマスター達が「このガードは良い、あのガードは悪い」と盲目的に決め付けなかった理由さ。秘訣はそれぞれのポジションの良い所・悪い所を理解して、あれはダメだなどと傲慢に非難しない事だよ。現在、ガードの達人になりたかったら1つのガードに精通しているだけではダメだ。いつか障害に突き当たった時の為に別の道も用意して置かなくてはならないんだ。」


~現在トレーニングする際の、あなたのチャレンジとは何ですか?~

「以前よりもエネルギー消費量を減らして、貯めておく事だね。私は技術的にも経験値的にも進歩している。けど私は15歳のヒリオン君ではないんだ。もちろん私は自分の年齢を心地良く思ってはいるよ。そして35歳のヒリオン・グレイシーは25歳のヒリオン・グレイシーをコテンパンにやっつけることができるだろうとも思う。けど現在45歳の私というのは、以前ほどの回復力は無いからね。昔はガンガン練習して、スパーの20本30本だってラクにできたけどね。肉体的に衰え始めているのは自分でも分かっている。しかしそれと同時に、より精緻な機微というものを身に付ける事ができるんだ。たとえば、相手の心を読む事ができるような心の繊細さを深め始めるんだ。

相手がこちらのフックを外そうとしてくる直前に、それをブロックできたりするようになる。これは柔術とは何であるか、という事を示しているんだよ。繊細さや、柔術という芸術に対する正しい精神的な繋がりがなければ、勝利とはあくまでコンディションによる勝利、耐久力による勝利であり、いつまでも荒いままで、見苦しいスタイルになってしまうんだ。」


~あなたのお兄さんであるホーウス・グレイシーは、古風な柔術と現代柔術の橋渡しをしたとみなされていますが、それはガード技術においてもそうだったんでしょうか?~

「疑いなく、ね。柔術がホーウスの手の中に納まった時、本来50年かかる進歩が10年に縮められたんだ。彼はフォルックスワーゲンビートルをフェラーリにしてしまったんだよ。そしてそれを私達に譲ってくれたんだ。もちろんホイールやヘッドライトも付けてくれてね。ガードというものを、相手の動きを待っているようなディフェンシブなものから、攻撃方法の宝庫であるポジションに移行させてくれたのはホーウスなんだ。彼は本当にオープンかつダイナミックな精神を持っていた。常に生徒に注意を配っていて、彼らから話を聞いたり、新しいポジションを見たりするのが好きだったんだ。今こそ彼をスポットライトに当たる場所に連れて来て、お願いだから良いポジションを教えてくださいって頼まなきゃいけないようだ。あるべき姿を作ったのはホーウスなんだ。私にとって、カリーニョス、クローリン、ヒクソン、そしてファミリー以外のたくさんのホーウスの生徒達、それが柔術の黄金時代なんだよ。

私は彼らの中の一人の、タラリコと呼ばれていた足の短い選手の練習を見て、ガードについてたくさんの事を学んだよ。」

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